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仕事の合間にノンアルコールビール 頭脳派は「忙中“缶”あり」

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【ノンアルコールビールで乾杯する西浦弁護士(右)と堀岡弁護士=東京都港区虎ノ門で】
【ノンアルコールビールで乾杯する西浦弁護士(右)と堀岡弁護士=東京都港区虎ノ門で】

 ビールのおいしい季節がやってきた。仕事帰りにみんなでくーっと一杯やるのも最高だが、最近は仕事の合間に気分転換でノンアルコールビールを楽しむ職場も現れている。

 東京タワーを間近に臨む都心の高層ビル。眺めの良い18階にオフィスを構える法律事務所で、西浦善彦弁護士(38)と堀岡咲子弁護士(29)が忙しい仕事の合間を縫って、ノンアルコールの缶ビールで乾杯し、リフレッシュしている。

 まさに「忙中“缶”あり」。2人は気心の知れた弁護士仲間で、裁判や共通の知人の話などで盛り上がる。両人とも大のビール好きで、本物のビールに近いすっきりした味わいに、思わず笑みがこぼれる。気分転換は成功したようだ。2人は飲み終えると「社会正義を実現する」普段の弁護士の表情に戻り、精力的に仕事を再開した。

 若手弁護士は職業柄「仕事終わりに気軽に一杯」とはいかないようだ。忙しいだけでなく、刑事弁護も手掛ける西浦さんのような若手弁護士の場合、夜間に接見のため、被疑者が留置されている警察署に急きょ、赴かなければならないからだ。

 西浦さんは「逮捕された被疑者は、留置場で1人、不安を抱えて僕たちが来るのを待っている。被疑者にとっては、弁護士が社会との唯一の窓口だ。いつでも行ける態勢でなければならない」と話す。アルコールを気にせずにビールテイストで気持をリラックスさせてくれるノンアルコールビールは、そんな西浦さんの仕事に欠かせない「友」といえる。

 新幹線で遠くに出張するときは、必ずサントリーの「オールフルー」などのノンアルコールビールを何本か持参して、移動中に飲む。長時間の移動も気にならず、快適な気分で到着地の仕事に臨める。さいたま地裁熊谷支部など裁判所に行く際も、列車の中で味わって気持を切り替え、気分を一新して法廷の訴訟活動に取り組む。

 もちろん、ノンアルコールとはいうものの「仕事中に“ビール”はけしからん」と思う周囲の考えも尊重し、顧客などと同席する場合は遠慮している。ただ今後は、くつろいだ雰囲気の中で、ざっくばらんに話を聞くことが必要な場合は、一緒に飲むことも考えてみたい、という。   

 西浦さんは「法律事務所に相談に来る人は、あまり自分に不利な点は触れたがらないが、訴訟戦略を練る上からもマイナス面も含め話を聞く必要がある。昼飯をご一緒する際に弁当とセットで出せば、話しやすい雰囲気がつくれるのではないか」と“ビール”の効用に期待する。

 ノンアルコールビールは、飲料メーカー各社の競争激化に伴って工夫が重ねられ、一昔前に比べれば、品ぞろえ、質ともに向上している。アルコール飲料のたんなる「代用品」から、自らの個性を発揮する、生活の各場面に欠かせない飲み物に育ちつつあるようだ。