おでかけ

行きやすくなった飛騨高山は見どころいっぱい 「すったて」「さるぼぼ」「ガッタンゴー」

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 ことし3月、北陸新幹線が富山・金沢まで開業し、東京から北陸地方へのアクセスが格段に良くなった。これまで交通面から敬遠していた観光地へも、少し足を伸ばすだけで想像以上に行きやすくなった。岐阜県北部に位置する飛騨高山エリアもそのひとつだ。同エリアへの「北の玄関」となった富山駅から、世界遺産・白川郷とその周辺の観光スポットを訪れた。

【世界遺産になった合掌造りの集落】

城山天守閣展望台から合掌造りの集落が一望できる
城山天守閣展望台から合掌造りの集落が一望できる

 富山市内から車で南へ1時間あまり、豪雪地帯で知られる深い山々を抜けると、日本の原風景ともいえる合掌造りの集落、白川郷に到着する。歴史上重要な建造物と美しい景観が評価され、1995年にユネスコ世界文化遺産に登録された。集落が見せる四季折々の風景は日本人だけでなく、広く海外からも多くの観光客を集めている。

 高台にある展望台からは集落全体が見渡せる。広がる田園のなかにたたずむ合掌造りと険しい山々の絶景を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいそうだ。家々は南北を向いて建てられている。これは屋根を東西に配置することで日照時間を均等にして、積もった雪を融かすためという。屋根の材料にはススキなどの茅が用いられ、耐用年数は30年程度。葺き替え作業には100人以上の労力が必要で住民の団結が欠かせないそうだ。

飛騨牛すったて鍋
飛騨牛すったて鍋

 白川郷でぜひ味わってみたいのが「飛騨牛すったて鍋」。「すったて」はこの地区の郷土料理で、煮た大豆をすりつぶしペースト状にして味噌や醤油だしを加えた汁のこと。これに飛騨牛、ゴボウやニンジン、キクラゲなどを加えて鍋料理にアレンジした。濃厚でまろやかな大豆スープと飛騨牛の豊潤な香りのハーモニーが楽しめる。2014年「ニッポン全国鍋グランプリ」で初出場ながら見事優勝に輝いた逸品だ。

【飛騨の小京都】

江戸時代の面影を残す古い町並み
江戸時代の面影を残す古い町並み

 飛騨観光の拠点となるのが「飛騨の小京都」とも称され、古い町並みを残す高山市。白川郷から路線バスを利用して50分程度で到着し、宿泊施設も充実している。江戸時代には城下町として栄え、町家造りの建物は今なお当時の面影を伝える。「さんまち」と呼ばれる上三之町周辺は伝統的な建物の保存地区に指定されていて、伝統工芸品の店や飲食店が軒を連ねる。江戸時代にタイムスリップしてゆっくりと散策したい。

飛騨高山エリアの観光スポットを結ぶ濃飛バス
飛騨高山エリアの観光スポットを結ぶ濃飛バス
宮川朝市は日本三大朝市にも数えられる
宮川朝市は日本三大朝市にも数えられる

 江戸の面影を残すもうひとつが「宮川朝市」。毎朝7時頃には宮川沿いにおよそ50軒の露店が並ぶ。地元の採れたて野菜や自家製漬物、民芸品などが売られ、店主との人情味あふれる会話も旅の楽しい思い出に。

さるぼぼ
さるぼぼ

 お土産には高山の人気マスコット「さるぼぼ」はいかが。さるぼぼとは高山の方言で「サルの赤ちゃん」の意味。冬の間、豪雪のため外で遊べない子どものおもちゃとして作られたのが始まりという。「災いが去る(サル)」として、お守りとして身に付ける人も。

【2階建てゴンドラで雲の上へ】

日本で唯一の2階建てゴンドラ
日本で唯一の2階建てゴンドラ

 高山市内から約1時間30分、バスに揺られ奥飛騨に。3000メートル級の山々が連なり、「日本の屋根」と呼ばれる北アルプスの名峰を望む。

 北アルプスの絶景を体験するなら新穂高ロープウェイは必須だ。新穂高温泉駅から第1ロープウェイで鍋平高原駅に向かう。眼下の展望を楽しむなら車両の進行方向後方に陣取ろう。ビジターセンター「山楽館」を経由して、しらかば平駅で第2ロープウェイに乗り継ぎ。日本唯一の2階建て大型ゴンドラで、標高2156メートルにある西穂高口駅を目指す。ロープウェイ発着駅の高低差は1039メートルで日本一を誇る。

眼前に広がる雲海と北アルプスの山々
眼前に広がる雲海と北アルプスの山々

 西穂高口駅の展望台に登れば、北アルプスの雄大なパノラマが眼前に。槍ケ岳、穂高連峰、焼岳などの名峰をはじめ、天候が良ければ遥か彼方に雲海から山頂を出す白山も見渡せる。

蒲田川沿いにある旅館「槍見館」の混浴露天風呂からは天気が良ければ槍ケ岳を望める
蒲田川沿いにある旅館「槍見館」の混浴露天風呂からは天気が良ければ槍ケ岳を望める

 雲上の大パノラマを堪能した後は、渓谷沿いに湧く岩風呂から北アルプスの山々を眺めるのもいい。湯量豊富な奥飛騨温泉郷は露天風呂の多さでも有名。宿泊はもちろん立ち寄り湯や足湯で旅の疲れを癒やしたい。

【ガッタンゴットン、レッツゴー!】

電車の気持ちが分かる!? ひとあじ違ったサイクリング
電車の気持ちが分かる!? ひとあじ違ったサイクリング

 飛騨高山をアクティブに楽しみたい人には「ガッタンゴー」がおすすめ。廃線になった神岡鉄道の線路をマウンテンバイクで走る新感覚の乗り物だ。自転車2台をガイドローラー付きメタルフレームで連結し、ペダルを漕いでレールの上を進んでゆく。自転車には電動アシスト機能があり、体力に自信がない人も安心だ。

 奥飛騨温泉駅を出発して、真っ暗なトンネルやスリル満点な高架を通過する。春は桜のお花見、夏はトンネルの天然クーラー、秋には黄金色に染まった飛騨路の山々が満喫できる。

 神岡鉱山前駅で折り返す往復6キロのコース。箱型トロッコやベンチシート型の車両もあり、家族全員で楽しめる。鉄道レールを自転車で疾走できるのは全国でここだけだ。

 12月以降、富山駅から世界遺産・白川郷まで高速路線バスの運行が始まる。東京から新幹線を利用した場合の所要時間は4時間と、関東方面からのアクセスがますます便利になる。時間帯によっては従来の金沢駅経由より45分短縮されるようだ。近くなった「合掌造り」、まだ訪れていない人はぜひ。