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聴覚障害者の4人に1人が「コロナ禍で嫌な思い」 関西大・近藤研究室のアンケート調査で判明

聴覚障害者の4人に1人が「コロナ禍で嫌な思い」 関西大・近藤研究室のアンケート調査で判明 画像1
関西大学 「滋賀県草津市在住の聴覚障害者を対象とした防災意識調査」

 

 関西大(大阪府吹田市)の近藤誠司・社会安全学部准教授の研究室はこのほど、新型コロナウイルス禍における聴覚障害者の防災意識などを調べるアンケート調査の結果をまとめた。

 それによると、聴覚障害者の4人に1人が「コロナ禍で嫌な思いをした経験がある」という。具体的には、「マスクをつけての会話は聞き取りづらく口元も読みとれない」「マスクをはずしてとは言えない」「聞こえづらいので顔を近づけると嫌がられた」といった聴覚障害者がコロナ禍の中で、コミュニケーションに苦労している現状が明らかになった。

 調査は、滋賀県草津市在住の聴覚障害者328人を対象に9月1日から10月7日にかけて実施。157人から回答を得た。回答率は47・9%。回答者の7割以上が60代以上の高齢者。

 聴覚障害者のコミュニケーション方法としては「発声」が6割強で最も多く、「手話」や「スマホ」はいずれも3割弱だった。多くの人が「声」でコミュニケーションしており、コロナ禍におけるマスクやフェースシールドの着用、声のボリューム抑制などが、コミュニケーションの阻害要因として大きな意味を持っていることが分かる。

 また聴覚障害者が「避難所に準備しておいてほしいこと、市民に知っておいてほしいこと」としては、「聴覚障害者ワッペン」や「耳マークのバッジ」など聴覚障害者であることを示すヘルプマークをはじめ、「支援者であることを示すビブス・ゼッケン」「筆談ボード」「手話通訳」「字幕表示の設定をしたテレビ」などが挙がった。

 さらに表示文章の短文化や拡大文字を求める意見、場内アナウンス、サイレンなどの警告機能と同じ機能を果たす聴覚障害者向けの伝達手段の開発を求める声も寄せられた。「背後から話しかけられても分からないこと」や「マスクをつけている状態では聞き取りにくいことを知っておいてほしい」といった聴覚障害者の状況を理解した上での対応を求める意見もあった。

 近藤准教授は「(聴覚障害者)自身では困難を解消できない“社会的孤立”の問題について、今後、より深く調査・検討する必要がある」としている。