まめ学

コロナ禍で注目の“地方移住”の懸念点 秋田県にかほ市が首都圏シングルマザー調査

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 コロナ禍で“密”を避けたりテレワークが推進される環境が進んだりする中、都市部での在住にこだわりがなくなる人が増えているとも言われている。一方、地方移住に踏み切るには、大きな課題も存在する。移住者の呼び込みに力を入れている秋田県にかほ市が、東京・神奈川・埼玉・千葉の一都三県の20代~40代のシングルマザー348人を対象に9月に行ったインターネット調査では、4割超が地方移住に興味があると回答した一方で、地方移住にネガティブな人は主に「利便性低下」「収入低下」を懸念していることが分かった。

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 現在の子育て環境・状況についての質問では、子どもを預ける施設や相談できる環境に不足を感じている人は全体の38.8%。自分の代わりに子どもの面倒を見てくれる存在が「いない」「あまりいない」と答えた人は31.6%、子どものことを相談できる家族以外の存在が「いない」「あまりいない」と答えた人は36.8%。全体の3〜4割が現在の子育て環境や周囲のサポート状況が十分でないと答えた。

 田舎暮らし・地方移住については、「とても興味がある」(16.1%)と「やや興味がある」(28.4%)を合わせ、全体の44.5%が「興味がある」と回答。「興味がない」と回答した55.5%の人に理由を尋ねたところ、最も多かったのが「生活の利便性・快適性が低下することの懸念」(66.3%)。「十分な収入を得られるか不安」(42.5%)、「子どもの教育環境を考えると難しい」(29.0%)続いた。

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 「地方移住に関する情報にあまり触れたことがない」人は26.9%。にかほ市では「ひとり親のためのにかほ暮らしハンドブック」の配布を始め、同市の子育て制度の充実や就業支援・生活環境などについて訴求したり、待機児童ゼロ、学力全国トップクラスの秋田の子育て・教育環境などについて紹介している。秋田というと寒さが厳しく雪が多いイメージで、都心の生活に慣れた人には暮らしにくいイメージもあるかもしれないが、秋田県内では春の訪れが最も早い温暖な地域で降雪量が最も少なく、南に鳥海山、西に日本海を臨む、山と海に抱かれた風光明媚(めいび)な町であることもアピール。仮想移住ツアー・子育て移住相談オンライン窓口も設置している。

 子育てにおいて何に重きを置くかの価値観についても、大きな影響を与えているコロナ禍。にかほ市の発信は、子育て環境の転換を考えている人のヒントの1つになるかもしれない。