まめ学

【この人に聞く!】ミステリーハンターからエシカルの普及啓発へ エシカル協会代表・末吉里花さん(1)

エシカル協会代表の末吉里花さん。 ©一般社団法人エシカル協会
エシカル協会代表の末吉里花さん。 ©一般社団法人エシカル協会

 ここ数年、フェアトレードやエシカルという言葉を耳にする機会が増えたが、「エシカル」と聞いてあなたが思い浮かべるものは何だろうか? 直訳では「倫理的な」という意味の英語だが、ピンと来る人は少ないかもしれない。今回は、日本で初めて“エシカル”という名称を団体名に使った、一般社団法人「エシカル協会」(東京)の代表・末吉里花(すえよし・りか)さんを紹介する。

■キリマンジャロの氷河を目の当たりにして

 慶応義塾大学総合政策学部出身の末吉さん。卒業後はフリーアナウンサーとなり、TBS系の人気テレビ番組「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターを務める。仕事や旅行で80カ国以上を旅した経験から、末吉さんは一握りの利益や権力のために、美しい自然や弱者が犠牲になっている世界の構造に疑問を抱いたという。そのような中、番組の取材でアフリカ最高峰のキリマンジャロ(タンザニア)を訪れる。地球温暖化の影響で山頂の氷河が溶け続けているという実態を見に行くためだった。ここで末吉さんが目の当たりにしたのは、氷河を守るために懸命になって植林を行うキリマンジャロの麓で暮らす子どもたちの姿。そして、大きく減退して元の大きさの1~2割程度しか残っていなかったキリマンジャロの氷河だった。

タンザニア・キリマンジャロの頂上。2004年当時でさえ、氷河が大きく減退していた。©一般社団法人エシカル協会
タンザニア・キリマンジャロの頂上。2004年当時でさえ、氷河が大きく減退していた。©一般社団法人エシカル協会

■解決の一部を担うことができるフェアトレードとの出会い

 氷河が溶けてしまっている現状にとてもショックを受けた末吉さんは、山頂で次のことを決意する。「世界で起きている事実を日本の人たちに伝え、問題解決へと導くことをライフワークにしたい」と。手始めとして、住んでいる神奈川県鎌倉の海でゴミ拾いを行ったり、環境NGOの活動に参加したりした。しかし、「これ(だけ)で本当に地球環境が改善されるのか」「私一人の力に何か意味があるのか」というモヤモヤが続いたという。

ネパールにあるフェアトレードの生産者団体で(中央が末吉さん)。 ©一般社団法人エシカル協会
ネパールにあるフェアトレードの生産者団体で(中央が末吉さん)。 ©一般社団法人エシカル協会

 そのような時にある雑誌で目にしたのが、アパレルブランド「ピープルツリー」の白いワンピースだった。このワンピースが末吉さんの方向性を大きく変えることとなる。「最初は、かわいい! ほしいなと思って、知らないブランドだったので会社について調べた」。すると、フェアトレードのブランドだと分かる。そこからさらにピープルツリーの取り組みを追ってみると、作っている人やその地域だけではなく、環境にも配慮したモノづくりを行っている会社だと知る。「フェアトレードという仕組みの中で、日本にいながら世界の問題を解決する一部になれる。これはすばらしい考えだと思った」と末吉さんは語る。

 Part2では、協会設立の経緯やエシカル消費についてお伝えする。