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親世代の4人に3人は「日本の教育が不安」  認知度は低いが「STEAM教育」への期待も

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 コロナ前から“先行きの見えない時代”ということは言われていたが、数週間、数カ月先の国内や世界の情勢も不透明な時代になっている。世界の教育情報を提供する Webメディア「STEAM JAPAN」を運営するBarbara Pool(東京)が親世代に教育に対する意識調査を行ったところ、4人に3人が現在の日本の教育を不安に感じているという結果が出た。漠然とした不安から、教育の課題に対しても意識がそれぞれ異なるようだ。

 同社のプロジェクト「STEAM JAPAN RESEARCH」として、昨年8月に行ったWeb調査。首都圏1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の5~15歳の子どもと同居する、25~69歳の男女7,119人を対象に行った。同社が提供するサービス「STEAM教育」の今後の展開の参考にすることが目的。

親世代の4人に3人(75%)が現在の日本の教育に不安を持っている

 「あなたは現在の日本の教育に対する不安はありますか」という問いに対しては、「非常にある」(22%)と「ある」(52%)を合わせて、74%が「ある」と回答。不安が「ある」と答えた人に「不安に感じていること」を尋ねたところ(複数回答)、「先の見えない不透明さ」(45%超)がトップ。「子どもがグローバル社会を生き抜ける人材になるか」(40%超)、「時代の変化に強い人材になるか」(40%弱)、「地域や学校に寄ってできる学習格差」(約35%)、「子どもがデジタル社会を生き抜ける人材になるか」(約30%)と続いた。漠然とした不安や、世の中の変化に対応できる人材になれるかという不安を抱えている親が多いことが読み取れた。

不安に思っているのは「先の見えない不透明さ」がトップに来ており、漠然とした不安を抱えていることが読み取れる

 では、「子育て・教育をする上で欲しい情報」は? 全体に尋ねたところ、「他の家庭での教育方法」(約30%)、「おすすめの学習塾や教育関連施設」(30%弱)、「地元の学校の治安」(30%弱)が上位に入った。
 今回の調査では、いわゆる“富裕層”と呼ばれる世帯年収1,000万円以上の親(1,205人)に教育への課題に対する意識調査も行った。年収に加え、「共働き」「4年生大学卒業」「都内在住」「会社員」という“リッチファミリー”と名付けたこの層においては、教育費に掛ける月額は20,000円以上が約65%、日本の教育に対して77%が不安を感じていた。同じ層の中で、課題意識の毛色が変わってくることも特徴として浮かび上がった。

 具体的には、全体への質問結果と比較した場合、不安に感じていることの内容でも「子どもがグローバル社会を生き抜ける人材になるか」がトップになるほか、「時代の変化に強い人材になるか」や「日本の学校教育にまかせてよいか」のスコアが全体と比較して高くなっていた。欲しい情報については「海外の教育方法」のスコアが全体比較で伸びていた。子育てに関してグローバル化・デジタル化する世界へどう対応していけるかへの関心が、より強い傾向があると同社は見ている。また、実際に子育てで重視している項目を見ると、「論理的思考力を高めること」「英語能力や国際理解を深めること」など、実践的な内容が全体と比較して高かった。

 今回の調査対象者のうち275人は、同社が提供する「STEAM教育」を子どもに受けさせている。
 STEAMとは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・アート(Arts)・数学(Mathematics)の5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語で、5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。体験の中でさまざまな課題を見つけ、クリエイティブな発想で問題解決を創造、実現していくための手段を身に付けることを目指している。同社は、社会とテクノロジーの関係がますます密接になっていくこれからのAI時代に、これら5つの領域の理解と学びを具体化する能力がますます必要となってくるとし、STEAM教育を、親世代が持つ日本の教育への不安感の解決のきっかけになり得ると位置付けている。

 今回の調査対象者の中では、STEAM教育の認知度は4分の1にとどまったが、理念や内容の説明文提示後は45%が興味関心を示し(「非常に興味がある」10%、「興味がある」35%)、64%が子どもの将来にとって必要な教育だと思う(「非常に思う」14%、「思う」50%)と答えた。

 同社は今回の調査で、STEAM教育の認知度にはまだまだ課題がある反面、 理念や内容が伝われば「子どもの教育に必要」という共感も得られる結果に手応えを感じている。今後、STEAM教育実践者も多いリッチファミリー層に加え、親世代に広く認知度を高め、実践者を増やしていくことを目指す。昨年秋から、2歳から6歳の未就学児を対象とした、STEAMアクティビティ」の体験会を開催しており、体験の様子はSTEAM JAPANのサイトから見ることができる。