まめ学

コロナ禍でも倒産件数は過去最低水準 水面下で倒産予備軍企業が増加の可能性も

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年来、飲食関係や旅行関係などを中心に収益環境は厳しさを増し、いわゆる「コロナ倒産」してしまった企業も少なくないようだ。感染者数の急減でひと頃に比べると状況は改善しているように思えるが、実際はどうなのだろう?

 現時点での倒産件数が厳しい状況と思いきや、意外にも落ち着いている。帝国データバンク(東京)が2021年11月における負債1000万円以上の法的整理を行った企業の件数をまとめたところ、11月の倒産件数は10月から16.9%減の468件。これは、1964年に集計を開始してから11月としては過去最少。(今までの最小記録は1964年の471件)。前年同月比で見ても、6カ月連続の2桁減少となっている。

 一方の負債総額だが、814億9700万円と昨年11月の952億1200万円から14.4%減少。4カ月ぶりに前年同月比でマイナスに転じたほか、11月としては1973年以来、48年ぶりの低水準となっている。

 地域別に見ると、関東が前年同月比で18.4%減となったほか、近畿も同25.1%減と大都市圏での減少が目立つ。特に、東京都は64件で、過去40年で最少となった。一方、北海道(前年同月9件→14件、55.6%増)、東北(同22件→27件、22.7%増)、北陸(同12件→15件、25.0%増)などが増加している。

 こうした倒産件数の減少について、帝国データバンクでは、コロナ関連の経営支援策が行きわたり、多くの中小零細企業で資金繰りひっ迫の事態が回避されたことが背景にあると分析。現時点で、2021年は55年ぶりの1年を通じての倒産件数は6000件を55年ぶりに下回る、歴史的低水準になる可能性が高いという。

 ただ、中小企業は金融支援で延命を続けているが、コロナ融資の返済が進んでいるとは言い難いのが現実。水面下で倒産予備軍企業が増加している可能性が高いという。倒産回避の要因になった、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の申請期限が終了する来年3月を境に、再建困難な不振企業で倒産が増加するシナリオが想定されている。