恐竜好きには大ニュースだ。国立科学博物館とアルゼンチン国立自然科学博物館は、アルゼンチン・パタゴニア南部の約7,000万年前の白亜紀最末期の地層から大型肉食恐竜の化石を発掘。研究の結果、新種であることなどが判明し、論文がScientific Reports 誌に掲載された。メガラプトル類の新種で最大級、白亜紀末の大量絶滅前の最後の種だった可能性があるという。また、白亜紀末期、南半球ではメガラプトル類が食物連鎖の頂点の座を確立していたらしいことも分かった。
約6,600 万年前、巨大ないん石が現在のメキシコ周辺の海に衝突、地球全体が寒冷化し、鳥類以外の恐竜などが絶滅してしまったことが知られているが、北アメリカ以外の生態系の変化については謎が多かった。パタゴニア南部でいん石衝突時の地層を特定し、前後の生態系の変化を解明できそうな新化石産地があるとの情報があり、アルゼンチンと日本で共同研究、2020 年 3月の現地調査で、椎骨やろっ骨などを縦3 メートル、横5 メートル、深さ1 メートルほどの範囲から発見した。
これまでに報告されているメガラプトル類の実物化石、レプリカ、3次元データ、文献などと比較、メガラプトル類の既存の種に該当しない新種であることが分かった。全長は9 メートル以上、体重は5トンと推定。メガラプトル類で最後の種だった可能性があるという。
2023 年3 月から国立科学博物館で開催予定の特別展「恐竜博2023(仮称)」で展示が予定されている。