まめ学

値上げラッシュはこれからが本番? 帝国データバンクの調査で判明

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 原油価格の急騰に、24年ぶりの円安水準──原材料を輸入に頼る日本にとって、これらの現状は、ストレートに物価に跳ね返る。まずガソリン価格の上昇が話題になり、今では食品をはじめ幅広く生活用品が値上げラッシュとなるなど、家計を圧迫している状況だ。実際に値上げの現状はどうなのか、帝国データバンクはこのほど、上場する食品メーカー主要105社における価格改定動向について調査を実施した。

 調査によると、今年の夏以降、値上げラッシュが本格化するという。すでに多くの商品について値上げされているが、そう、ここからが本番となるようだ。同社が2022年以降の価格改定計画(値上げ、実施済み含む)を追跡調査した結果、6月末までに累計1万5257品目で値上げが判明。6月1日時点の前回調査(1万789品目)から約1カ月間でさらに5000品目の値上げ計画が明らかになった。このうち、7月単月での値上げは1588品目が実施される一方、8月は初めて2000品目を超えた。まさに、値上げの夏となる。

 夏以降も値上げの動きは収まらず、10月に単月としては年内最多となる3000品目超の値上げ計画が明らかになるなど、むしろ秋に値上げが本格化する様子。その理由として、5月頃までは小麦など原材料価格の高騰が値上げの理由だったが、最近では、急激な円安や原油高による輸入・物流コストの上昇へと変わっている。特に目立つのが加工食品で、北米でのスケソウダラ漁不振によるすり身価格の上昇などを背景に、白身フライなどの冷凍食品や水産加工品などで値上げが相ついだ。

 一方、記録的な早期の梅雨明けで猛暑が長く続くと想定されるが、そうした中で、ビールや飲料の値上げが目立つ。ビール類では麦芽・トウモロコシなどの価格上昇、清涼飲料水は主にPETボトルなど包装資材の価格高騰──それぞれの理由から値上げを余儀なくされている。猛暑だけではなく、値上げでホットな夏となりそうだ。