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インターンシップで学生囲い込み? 就活前のめりの実態について

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インターンシップが本格化

7月に入ると、大学3年生を対象とした企業のインターンシップが本格化します。
インターンシップとは、学生が一定期間企業で働いて職業経験を積むことです。
企業の中に入ってみることで、実際に働くイメージを持つことができますし、その業種にはどんな知識・技術が必要なのかが分かります。

企業のホームページやパンフレットだけでは分からない“リアル”を体験できるので、就職を控えた学生にとっては貴重な制度と言えるでしょう。

様々なインターンシップ

一言にインターンシップといっても、様々な形式のものがあります。期間も1日だけのものから数か月に渡るもの、セミナー型や見学型のものなど、企業も工夫を凝らしたインターンシップ制度を展開しています。
とりあえずどんな会社か知りたいという学生には、短期のものやセミナー型などが気軽に参加できます。
本格的な経験を積むためには、ある程度長い期間で、実際に仕事が体験できるインターンシップの方が良いでしょう。

学生囲い込みの様相も

しかし、少子高齢化による人材不足のため、近頃の学生向けのインターンシップは『学生囲い込み』の様相も呈してきているようです。
企業がインターンシップを実施する目的は、早い段階から学生と接点を持ち、自社に合いそうな人材に目星を付けてアピールするためです。
経団連が発表した2019年卒業見込みの学生に対する就職活動解禁日は、選考活動が来年2018年6月1日からとなっています。
大学3年生向けのインターンシップは実質今年の6月からスタートしているので、企業としては約1年前倒しで学生とコンタクトを取ることができる形になります。

インターンシップは内定につながりやすい

先述のとおり、企業もインターンシップは採用を念頭に実施しています。
インターンシップに参加することで学生にとっては経験を積むだけでなく、自分をアピールできる場を確保することになるのです。
特に、内定に繋がりやすいと言われているインターンシップでは、エントリー段階から就職活動本番並みに書類選考や面接選考が実施されています。
人気大手企業ではインターンシップ募集に対して高い競争率になるところもあるようです。
ここまでくると、就職活動が1年前のめりで実施されているといっても過言ではありません。

昨今の学生の安定志向により、大手企業に学生の人気が集中するため、インターンシップに訪れた優秀な人材を先に大手企業が青田買いしてしまう可能性が高くなります。
インターンシップから内定への流れが加速すれば、中小企業の新卒採用はますます厳しいものになるかもしれません。

チャレンジ可能期間増加と学業圧迫の懸念と

学生にしてみれば、就職活動ができる期間が増えたとも言えます。
インターンシップに応募して内定をもらう、就職活動本番で内定をもらうといったように、チャレンジできる機会が増えたと考えて、積極的に制度を利用してみるのもいいでしょう。
ただ、就活が実質前のめりになることで、学生の本分である学業が疎かになったりしないようにと願わざるを得ません。
インターンシップは、イコール就職活動ではありません。
「職業経験」という本来の意味を忘れず、自分に合う職業を選択するツールとして活用してください。

<筆者略歴>

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大竹 光明:社会保険労務士

大竹 光明:社会保険労務士 平成12年、関西大学社会学部卒業。平成18年に大阪市城東区にて独立開業(平成20年に大阪市中央区に移転)。顧問契約している企業は、大阪を中心に製造業、建設、卸売り、飲食店など多彩で、社員数一名の中小企業から数万人の社員を抱える東証1部上場企業まで幅広い。労働・社会保険の手続き代行、リスク管理型就業規則作成、人事・賃金制度構築支援、労務管理コンサルティングなどを手がける。現在、大阪産業創造館「あきない・えーど」において経営サポーターを務める。

(大竹 光明:社会保険労務士)

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