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「ホワイト企業」「ブラック企業」の定義が曖昧 取り組みと今後

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「ブラック企業」「ホワイト企業」の意味は定義されていない

「ブラック企業」という言葉ほど、定まった定義づけもなく流行している言葉はないかもしれません。ブラックな側面からの捉え方は、マイナスイメージしか付いてきません。そこで、その逆の視点から「ホワイト企業」という言葉が湧いてきています。こちらも、何を基準に「ホワイト」と言っているのかは、取り扱っているアンケート調査会社、業界団体などによって区々であり、定まってはいません。

したがいまして、「ブラック企業」「ホワイト企業」とも、取扱い主がいかなる意味を示唆しているのかを十分に把握したうえで受け止める必要があると言えます。

労働者の言う「ブラック企業」の傾向

「ブラック企業」と表現される際の傾向を業務経験から把握してみますと、労働者視点では非常に様々な解釈がなされています。

たとえば、勤務先企業などで労働の分野に限定せずとも、何か法令違反となる行為が行われていると「ブラック企業」と表現しているケース。

長時間労働が横行していて身体的精神的に疲弊している実態、あるいは、それに付随して法定割増賃金が未払いとなっている実態を「ブラック企業」と表現しているケース。

電通事件をきっかけに過重労働のニュースを目にする機会が増加し、過重労働の発生を「ブラック企業」と表現しているケース。

そして、ハラスメント(パワハラ、いじめ・嫌がらせ、セクハラなど)が発生している、あるいは、自らがハラスメントの当事者になったことを「ブラック企業」と表現しているケースなど意味合いは決して同じではありません。

厚生労働省の「ブラック企業」「ホワイト企業」への対策とは?

厚生労働省は、このまま「ブラック企業」のイメージばかり先行すれば、労働者の労働意欲などにも大きく影響を及ぼすことなどを懸念し、2015年6月から安全衛生の領域において「ホワイト企業認定制度」(安全衛生優良企業公表制度)をスタートさせています(認定期間3年)。過重労働対策、メンタルヘルス対策、健康管理などの労働安全衛生に関して積極的に取り組む企業を「ホワイト企業」と位置づけています。

一方、すっかり有名になりました過重労働に関しましては、平成27年5月18日に臨時全国労働局長会議が開催された際に、過重労働に係る事業に対し厳正に対応すること、違法な長時間労働を繰り返している企業の指導・公表などについて取り決めがなされています。指導・公表は、社会的影響力の大きい企業で、違法な長時間労働が相当数の労働者に認められ、これが一定期間内に複数の事業場で繰り返されていることが基準となっています。

今後はパワハラ、いじめ・嫌がらせへの取り組みが急務

このようにみますと、厚生労働省が取り組む「ホワイト企業」では一定の基準が設定され、厚生労働省が掲げる要件にある長時間労働の企業を仮に「ブラック企業」と位置づければ、国が示唆する「ブラック企業」でも一定の基準が設定されていると言えます。

しかし、そのターゲットはあくまで健康面や過重労働に当てられているにすぎないというのが現状のようです。

労働者から挙がるテーマは、厚生労働省が毎年公表する労働相談件数で1位になっているように、「パワハラ、いじめ・嫌がらせ」に関係した「ブラック企業」が最も多いようです。この撲滅に貢献する「ホワイト企業」化の取り組みが急務と考えます。

〔参考〕
・安全衛生企業認定制度:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000075611.html
・全国労働局長会議:
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000085142.html

<筆者略歴>

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亀岡 亜己雄:社会保険労務士

亀岡 亜己雄:社会保険労務士 会計人向け情報処理サービス業である(株)TKCに約11年間在籍し、財務会計、管理会計、経営シミュレーションなどの戦略的な意思決定のための業績管理システム導入のためのコンサルティング営業を担当。その後、大手経営コンサルティングファームに転職し、経営、人事制度構築、財務・経理、組織などの各種経営コンサルティング業務を担当する。1998年、社会保険労務士試験に合格し、翌年、亀岡社会保険労務士事務所を設立。また、2006年には特定社会保険労務士試験に合格し、2011年に首都圏中央社労士事務所に組織変更して現在に至る。これまで1000件以上の中小企業経営をサポートし、労働相談の経験と蓄積したノウハウを盛り込んだ労務コンサルティングを手がける。

(亀岡 亜己雄:社会保険労務士)

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