カルチャー

競歩の世界一が環境、施設を絶賛 ディニズが視察、御嶽高原トレエリア

練習前に対面したディニズ選手(右から2人目)。すぐに地元選手と打ち解けた
練習前に対面したディニズ選手(右から2人目)。すぐに地元選手と打ち解けた

 高地トレーニングを行うと、低酸素状態の中で心肺の持久力を高める効果があ る。陸上の中長距離や水泳などでは定着したトレーニング方法で、標高2240 メートルのメキシコ市や、1650メートルの米コロラド州ボルダーなどが有名 だ。日本にもこれらに劣らないすぐれた場所が岐阜県にある。御嶽山の北側山麓 に広がる「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」。標高1200メートルから 2200メートルにあり、陸上の400メートルトラック、ランニングの周回コー ス、体育館、宿泊施設などが整備されている。2020年の東京オリンピックで は、フランス、英国、用具メーカー大手のナイキ社などが事前キャンプを予定し ている。

ウオームアップでトラックを周回するディニズ選手(日和田陸上競技場)
ウオームアップでトラックを周回するディニズ選手(日和田陸上競技場)
秋の気配が濃い周回コースで練習。懸命に付いていく五藤選手(左の緑のウエア)
秋の気配が濃い周回コースで練習。懸命に付いていく五藤選手(左の緑のウエア)

 競歩の2017年世界陸上選手権50キロで金メダルを獲得した同種目の世界 記録保持者、ヨアン・ディニズ選手(フランス)が10月中旬、同エリアを訪れ、 事前に施設や周囲の環境を視察した。同時に、地元の高校、大学の競歩選手と一 緒に練習し交流を図った。14日、標高1200メートルにある全天候型の日和 田ハイランド陸上競技場(高山市)に姿を現したディニズ選手は、すぐに地元選 手と打ち解け、同競技場を発着点とする8・1キロの周回コースで世界一の競歩 を披露した。日本学生対校選手権の女子1万メートル競歩4連覇の五藤怜奈選手 (中部学院大)が同走したが、あまりに速いペースに五藤選手は競歩からランニ ングになる場面も。秋の気配が濃い高原を2周して練習を終えたが、呼吸が乱れ ることもなく、標高1800メートルにある濁河温泉(下呂市)の宿舎に戻った。

練習終了後はクールダウンの方法を説明
練習終了後はクールダウンの方法を説明

 8月のロンドン世界陸上選手権男子50キロ競歩で、日本の荒井広宙(自衛隊) が2位、小林快(ビックカメラ)が3位に入り、競歩は2020年に向け日本の 有望種目になった。同時に、このレースで終始先頭を進み世界トップの強さを証 明したのがディニズ選手。39歳、185センチの長身。陽気な雰囲気を漂わせ、 同エリアの印象を問われると「素晴らしい。コース、施設、すべてがそろってい る。周回コースは難しいが、オリンピックの事前キャンプをやるには最適の場所 だ」と褒めた。また、日本で競歩の認知が高まったことには「もともとフランス をはじめ欧州では人気が高い種目だ。日本でも注目されてきたのは意識している」。 そして十分な実績を誇りながらまだ手にしていないのがオリンピックの金メダル。 「東京ではぜひ金メダルを取りたい。それが何より重要。万全の準備をする」と 力強く話した。

最新のトレーニング機器がそろう濁河温泉高原スポーツレクリエーションセンター
最新のトレーニング機器がそろう濁河温泉高原スポーツレクリエーションセンター

 濁河温泉の近くには、1700メートル地点に全天候型の御嶽パノラマグラウ ンドと最新のトレーニング機器と宿泊設備を備えた濁河温泉高原スポーツレクリ エーションセンターがあり、日和田ハイランドにも同様の設備を持つトレーニン グセンターがある。また濁河温泉の近くにはランニング専用路で片道7・6キロ の「飛騨御嶽尚子ボルダーロード」(現在3キロ完成)も設置されている。尚子 とはもちろん2000年のシドニー・オリンピック女子マラソンで金メダルを獲 得した岐阜県出身の高橋尚子のこと。ディニズ選手が話すまでもなく、同エリア の施設は世界と比較しても遜色ない。世界の一流選手が、東京の表彰台を目指し 最後の調整で飛騨御嶽高原に集う。

標高1700メートル地点にある御嶽パノラマグラウンド
標高1700メートル地点にある御嶽パノラマグラウンド