まめ学

139年の歴史に幕 フランスの電報廃止に

10769001888 「23時59分、これが最後の電報です」。4月30日深夜、フランスで最後の電報が打電された。1879年に、フランスで初めての電報サービスが始まってから139年。メールやSMS(ショートメッセージサービス)など現代のテクノロジーに押されてメッセージ伝達の手段が一つ消滅した、フランスにとって歴史的な日となった。

 旧フランス・テレコムからオランジュ社へと引き継がれて続いてきたフランスの電報。パリジャン紙をはじめフランス各紙が伝えたところによると、20世紀末から急速に普及したメールやSMS、フェイスブックやツイッターなど、多様で簡易な“伝言”手段が増える中でも、フランス国内の電報は、企業や公共機関などの利用、出産祝いや弔電など個人利用も含め、2005年時点でなお年間約90万通が送信されていた。

 日本では、1869年に東京・横浜間で電信(電報)サービスが開始されて以来、モールス信号を解読して文章に起こす時代から、郵便局や電話での申し込み、写真入りメッセージの電報など、その形式もどんどん進化してきており、冠婚葬祭などで利用する人は少なくない。ネットでも申し込みができる上、デザインされた台紙や花を添えるサービスなど、新しいテクノロジーと競合しつつも独自の路線を開拓してきている。利用者は、「特に弔電など、急な出来事でメッセージを送りたい時は便利。メールやSNSでは失礼にあたるような場合でも、電報なら丁寧に気持ちを伝え、しかも手軽に送ることができる」と話す。

 フランス最後の電報は、電報を扱っていたオランジュ社の社員宛てに打たれたもの。「新しいテクノロジーの恩恵により、通信の歴史のページをめくる。この電報を届けてくれるすべての同僚たちに感謝を」とし、各文末ごとに挟まる「STOP」の文字に加え、最後の文末には「FIN」(終わり)と打ち込まれた。

 

text by coco.g