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アルコール依存の心理 なぜお酒におぼれてしまうのか?

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華々しい芸能人の人生を蝕んだものはアルコールだったのか

ジャニーズ事務所所属のアイドルグループ“TOKIO”の山口達也氏の会見は、世間に大きな波紋を広げました。会見では冒頭から深々と長く頭を下げ、質疑応答が始まるや泣き声が止まらない状況でした。

「加害者が泣くことないだろう」との意見も湧き出るほどで、憔悴しきった最中、無期限謹慎をメンバー全員の名前を上げ「戻りたい」と哀願してしまい、またそれが世間の反感を買うことに。メンバーや世間からの呆れや怒りの言葉をもらうことになりました。せっかくの会見もダメージの緩和とは程遠いものになって、結果としては事務所除籍ということになりました。

肝臓治療の為の退院直後、日中から部屋で焼酎1本を空けるほどで、自覚はなくとも世間は「アルコール依存症」と見ます。会見で謝罪と依存症治療への専念を誓うことに専念すれば、少しは結果が違っていたのかもしれません。

アメリカの俳優ベン・アフレックやメル・ギブソンもアルコール依存症の治療を受けています。多くのファンが存在する華々しい芸能界の人の人生でも蝕んでしまう、アルコール依存症とはどのようなものなのでしょうか?

依存症とはなんなのか?良い依存、悪い依存を考えてみよう

昔、熱血教師のドラマで、人という字は支え合っています…みたいなことがありましたが、人というのはそもそも「依存」し合って生きています。ある意味、それこそが人間という生物の強さでもあるのです。

「強さ」といわれると、きっと違和感がありますよね?「依存」というのはネガティブな言葉として使われることが多いですから。少し「良い依存」「悪い依存」について考えてみましょう。

良い依存

成長へつながり、与え与えられ、支え支えられという漸進的な関係になります。

悪い依存

さみしさや執着から、相手を支配や束縛したり、何か刺激などで自分の心の穴を埋めようとすることです。代替による”快”を満たされていると勘違いすることで始まります。「依存症」というのは、言わば”生き方の病”とも言えるでしょう。

悪い依存では、満たされることは絶対にありません。なので、一時的に満たされたような気がして、もっともっとと過剰になって言ってしまうのです。

  • 人への依存…人間関係で歪んだ上下関係や、支配や束縛、しがみつきなどになります。
  • プロセスへの依存…ギャンブルやスマホなど、行為によって興奮や刺激を得ようとします。
  • 物質への依存…アルコールや過食など、摂取することで快を得て一時的な現実逃避をします。

アルコール依存チェック・・・当てはまる場合はご用心!

どの程度アルコールに依存しているのかチェックしてみましょう。最近6カ月以内に以下のことが当てはまりますか?

  • □酒が原因で人間関係に問題が生じた
  • □今日は飲まないと思ってもついつい飲んでしまう
  • □周囲の誰かから「飲み過ぎだ!」と言われた
  • □ついつい加減ができず飲み過ぎてしまう
  • □翌朝、ところどころの記憶がない
  • □休日の昼間から飲む
  • □飲酒が原因で仕事や約束に行けないことがある
  • □酒が切れると不眠やイライラ、手の震えがある

いかがでしょう?

2つ当てはまるなら要注意。3つ以上当てはまるなら病院にて診断を受けたほうがいいかもしれません。

依存症の原因となるのは社会的な人間関係

先に「心の穴」と書いたように、原因は心の問題なのです。

  • さみしさ
  • 孤独感
  • 継続的な強いストレス

これらが依存症へと人を誘うのです。

「芸能人ならファンが沢山いて、多くの人から好かれ寂しくないじゃん!」果たしてそうでしょうか?エーリッヒ・フロムの著書「愛するということ」のなかにもあるように、現代の人は「愛の問題」を「愛されること」ばかりにフォーカスしてしまって、「愛するということ」であることを知らぬまま過ごしているのです。

多くの雑誌には「愛され女子になる〇〇ランキング」みたいな特集が溢れ、「私はやっぱり恋愛は愛される派だなー。」なんて言葉を聞くのも珍しくないことです。愛を受動的な感情だと勘違いしているのです。

でも考えてみて下さい。自分が本当に愛していない何万人の人に愛されたところで、本当に孤独じゃなくなるでしょうか?等身大の自分で誰かを愛すること、それがどれほど幸せなことでしょう。

回復のためにやってはいけないこととやること

アルコール依存も、身体症状だけなら一週間ほどの断酒で回復すると言われます。
回復のために周囲の人がやってはいけないことは何でしょう?

  • 1.世話をやきすぎること…自分のした始末を他の人がしてくれると思ってしまう
  • 2.叱責説教をすること…そのストレスをまた依存しているもので解消しようとする
  • 3.周囲が責任を感じること…周囲に責任転嫁してしまう

山口氏の報道をみると、周囲や世論がやってはいけない方向に向いてしまっていますね。TOKIOのメンバーの誰も「酒を飲んでくれ!」と頼んだわけではないでしょう。誰の責任でもないのです。

必要なことは…

  • 1.依存をちゃんと理解する…依存しているものでストレス解消にはならず、無いことでストレスを感じるようになる
  • 2.目標は小さく刻む…大きな目標は、実行する気分にもなりません。達成できる時間区切りで達成感を味わいながら断っていきましょう
  • 3.自由になることを望む…依存を完全に断ち切り、依存しているものに縛られなくなることで本当の自分の人生を歩めます
  • 4.ストレスに対する考え方を得る…自分のストレスやさみしさなどと向き合い、誰かと共有し、新しい思考パターンを得ることで考え方が変わります
  • 5.結末を見る…これは最終手段ですが、本人が依存から離れたいと思わなければ回復への道は始まりません。どん底まで体験することも一手です。

人間の強さは「依存」です。「悪い依存」を「良い依存」へと変換していきましょう。人間である限り、ほんとうに立ち直ろうとしたとき、周囲に誰かが手を伸ばすはずです。あなたが得ている人間としての強さをつかうことです。

<筆者略歴>

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青柳 雅也:心理カウンセラー

青柳 雅也:心理カウンセラー どのジャンルでも対応できる心理カウンセラー。18年間のサラリーマン時代を経て、人の心の在り方に関心を持ち、「髪の毛のある街のお坊さん」を目指すことを決意し心理カウンセラーに。海外のような遅いテンポでのカウンセリングは日本に合っていないことに気づき、独自手法を編み出し、問題や悩みの短期解決を実現する。豊富な臨床経験から信頼の声も高く、活動も心理学講座「青い柳のココロカフェ」や、コラムの執筆活動、教育機関での非常勤講師、企業のメンタルケア、ときにはテレビ出演など多岐にわたる。

(青柳 雅也:心理カウンセラー)

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