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子どもの前で行われるDV「心理的虐待」が増加。被害を減らすには?

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身体的虐待やネグレクトより心理的虐待が増加

児童虐待の通告件数は統計を取り始めた1990年度から一貫して増加傾向にあり、2017年度は13万3778件(速報値)となっています。その中でも、心理的虐待の割合が増えているのが、ここ最近の傾向としてあげられます。

心理的虐待は「あなたなんか生まれて来ない方がよかった」「あなたのせいで、家族は不幸になった」など、養育者が子どもの存在価値を否定する言動をすることです。また、2004年度の児童虐待防止法改正により、夫から妻、妻から夫などへのDVを子どもが目撃することも、心理的虐待として取り扱われることになりました。警察庁によると2017年のDV被害者数は7万2455件(男性1万2440件、女性6万15件)であり、DVが表面化されることが、おのずと子どもへの心理的虐待が増加する要因ともなっています。

DVを含む心理的虐待をはじめ、虐待が起こる要因はさまざまですが、複雑化する家庭環境が増えていく中でどのようなサポートが求められるでしょうか。

周囲のサポートと支援システムの構築が必要

一つには、友人や近隣者などによる支えが必要でしょう。共働きや過酷な労働環境が伴う現代社会では、父母共に家庭以外でもストレスを抱えやすく、うまく解消されないまま家庭に持ち込まれ、子どもにその矛先が向けられることがあります。本来家庭は家族のストレスを軽減する場でもありますが、家族自身にその余裕がないのであれば、父母のしんどさを受け入れてくれる周囲のサポートが必要になってきます。

二つ目は予防と早期発見の強化です。児童虐待の対応機関は児童相談所ですが、複雑化する虐待問題は児童相談所だけでは対応しきれない側面があり、いかに未然に防ぐかが重要な課題となっています。

児童虐待を未然に防ぐためには、児童相談所とは別に、予防や早期発見に特化した包括的な支援システムを構築する必要があります。

妊娠から出産、子育てと包括的に支えることが大切

現在、高齢者福祉においては地域包括支援センターを中心に、虐待防止だけでなく権利擁護や介護予防への取り組みが行われています。虐待だけに焦点をあてるのではなく、その要因となりえる権利擁護や介護予防の啓発にも力を入れ、虐待防止も含めたトータル的な支援を実施しています。

子どもの領域においても、国は子育て世代包括支援センターの全国設置を2020年度末までに実施することを目指しています。妊娠から出産、子育てと、切れ目ない支援を担う中で、生まれた時から権利擁護が尊重されるシステムが国内で確立されれば、結果的に虐待対応の件数も減っていくのではないでしょうか。

<筆者略歴>

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中原 崇:社会福祉士

中原 崇:社会福祉士 児童養護施設や専門学校に勤務後、平成23年4月に社会福祉士として個人事務所を開業。不登校や引きこもりといった進行形の問題だけでなく、夫婦間の不和、夫婦の価値観の違い、子育ての不安等、家庭内で抱えるあらゆるストレスに対して、ソフトカウンセリング・悩み解決支援(ソーシャルワーク支援)でサポートしている。

(中原 崇:社会福祉士)

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