カルチャー

【この人に聞く!】 アメリカ・ワシントンバレエ団で活躍する木村綾乃さん

ワシントンバレエで活躍する木村綾乃さん。
ワシントンバレエで活躍する木村綾乃さん。

■きっかけは、「猫背の矯正」

 女の子が好きな習い事といえば、必ずランク上位に入るバレエ。幼いころ、一度はバレリーナになりたいと夢見たことがある人もいるのでは。多くの人にとって、そんな幼いころの夢は、夢として終わることが多いが、自分の夢を実現させ、アメリカでソリストなどとして活躍しているのが、ワシントンバレエ団の木村綾乃(きむら・あやの)さんだ。

京都・伏見稲荷大社の鳥居をバックに。
京都・伏見稲荷大社の鳥居をバックに。

 京都出身の木村さんがバレエを始めたのは9歳ごろ。自分から習いたいと言い出したのではなく、猫背を矯正する意味もあり、母親の勧めで近所の教室に通い始めた。幼稚園時代から習い始める子もいるバレエでは、9歳でのスタートは決して早いとはいえないが、木村さんは飲み込みが早く、すぐにバレエに夢中になった。その後、もっと上を目指したいと、国際コンクールでの入賞者を輩出していた大阪の教室に移り、高校へ通う傍ら、毎日京都-大阪を往復しながら深夜までのレッスンを続けた。身体的にはつらく、学校の授業中に寝てしまうこともあったが、常にバレエが楽しかった。そして15歳の時、単身イタリアへ留学する。

■主席で卒業するが…

 今と違い、デジタル環境がさほど発達していない15年前。日本から遠く離れたヨーロッパで、ただ一人のアジア人だった木村さんを襲ったのは猛烈な孤独感だった。食事が喉を通らないことも多く、1カ月ぐらいは落ち込む日々が続いた。それでも根がポジティブで前向きな木村さん。留学させてもらっているチャンスを無駄にはできない、プロになって恩返ししなくてはと練習に励んだ。そして2年後、主席でミラノ・スカラ座のスクールを卒業する。そこから順調にキャリアを積めるかのように思えたが、体が大きい欧米人と比較して、日本人は身体的に不利な立場。身長157cmの木村さんは日本人としても大柄とはいえず、最低でも身長165cmは求めるヨーロッパのバレエの中で、木村さんはことごとくオーディションに落選。一旦は日本に帰国して、高校に入り直す。

森の精役を踊る木村さん
森の精役を踊る木村さん

 そんな木村さんに転機が訪れたのは、アメリカ・ニューヨークの国際大会に出場した時。大会に来ていたワシントンバレエのスクールからオファーをもらい、「アメリカなら自分の可能性を試せるかも」と、新生活をスタートさせる。

(その2へと続く)
文・取材:M.O.