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【映画コラム】青春コメディー+ミュージカル+ゾンビ=『アナと世界の終わり』

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 青春コメディーとミュージカルとゾンビを融合させたイギリス発の珍品映画『アナと世界の終わり』が5月31日から公開される。

(C)2017 ANNA AND THE APOCALYPSE LTD.

 クリスマスを迎えたイギリスの田舎町に突如ゾンビが出現。さえない日常を送る高校生のアナ(エラ・ハント)は、日頃の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、仲間たちと共にゾンビに立ち向かっていく。

 本作の新味は、闘いの最中に、本格的なミュージカルさながらに、アナたちが歌うシーンが挿入されるところ。タイトルも主題歌が大ヒットしたディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』(13)をもじっているのだろう。常々、ホラーとコメディーは紙一重だと思っていたが、また新たな切り口のゾンビ映画が現れたという感じがした。FIRST SHOWINGは、本作を「『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04)×『ラ・ラ・ランド』(16)!」と評している。

 さて、もともとゾンビ映画は欧米のものだが、最近は日本でも、ゾンビ映画の製作を題材にした『キツツキと雨』(12)や『カメラを止めるな!』(18)といった変化球物、あるいは本格物の『アイアムアヒーロー』(16)などが作られている。

 なぜゾンビという題材はこうも映像作家たちをとりこにするのか、と考えてみると、比較的低予算で作れ、メーキャップに凝るなど“遊び心”も発揮できる。何より非日常が描け、ゾンビをいくら“退治”しても殺人にはならないから、激しいバイオレンス描写も許される。また、作り方によっては隠喩やメッセージを込めることもできるなど、いろいろな理由があるのだろう。

 その意味では、この映画もゾンビに仮託した青春映画ということもできるのだが、どうせここまで羽目を外したのだから、マイケル・ジャクソンの「スリラー」ではないが、ゾンビたちにも、歌ったり踊ったりをさせてしてしまえばよかったのに…という気もした。(田中雄二)