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うつ病を発症し退職からのひきこもり、どのように回避すれば良いか?

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うつ病が引き金のひきこもりについて

「中年になってうつ病を発症し、退職からのひきこもり」ということが、最近の事件の背景に指摘されることもあって、注目を集めているようです。この「うつ病発症➝退職➝ひきこもり」という流れの中で、どう対応が可能でしょうか。

以下、いくつかの時点に分けて対応を考えてみたいと思います。

うつ病が疑われたらどうするか。

上記の流れを止めるには、まずうつ病にならない予防策がまず挙げられますが、うつ病は「誰でもなりうる」というのが現在の考え方です。つまり、うつ病の発生機序として心理的・社会的・生理的要因が複合的に関係していることから、予防にも限度があり、状況がそろえばなるときはなるということです。とすると、次に考える必要があるのは、「うつ病が疑われたらどうするか」です。

それへの一番の方法は、やはり「早期発見・早期治療」でしょう。うつ病の二大症状は「気分の落ち込み」と「興味・関心の喪失」ですから、一定の期間(診断上は2週間)、上記症状のどちらかがあれば、一応うつ病を疑って医療機関を受診するのがいいと思います。医療機関を受診する前に、職場でのメンタルヘルスの支援制度を利用するのもいいと思います。もし職場にそのような制度がなければ、公共の相談機関(「精神保健福祉センター(精保センター)」、地域によっては「心の健康センター」)を利用するのもいいと思います。

うつ病と診断されたらどうするか

そしてうつ病と診断されたら、今後はそれが即退職とつながらないよう、職場の上司等と相談し、病休や休職制度などを最大限活用したらいいと思います。また仮に休職に至ったら、今度は職場復帰に向けての支援制度(「リワーク」など)を利用するのがいいと思います。

退職に至ったらどうするか

 結果的に退職に至った場合、それから「ひきこもり」につながらないようどうするかが、次の転機といえます。特に、今まで仕事に生きがいを持っていた人ほど退職による目的喪失感が大きいといえ、それがうつ病と相まってより自己否定感を強め、結果的に負の連鎖になる可能性があるからです。

これを防ぐには、今までの仕事に代わる「意味のある代替物」を見つけることが大事、と思います。その際、うつ病になり退職したことが今後の人生を考えるのにまたとない「チャンス(好機)」と考える、いわゆる逆転の発想ができれば一番いいと思います。

ひきこもってしまったらどうするか

「ひきこもり」の人についての調査結果から、その中で精神疾患にかかっている人が多いことが推測されています。とすれば、ひきこもりの当事者やその家族も含めて、ひきこもりは単に本人の恣意的な選択や怠惰だけの問題ではない、と理解することが重要だと思います。

言い換えれば、自力や家族の力だけで問題を解決しようとせず、周囲に援助を求めることです。現在では「ひきこもり」の当事者による自助グループや家族会も設立されており、それを利用するのもいいと思います。また行政も「ひきこもり地域支援センター」などの相談窓口を設立していますので、積極的に利用したらいいと思います。

一番のポイントは「自分で抱え込まず、援助を求めること」

精神疾患については、「意志が弱いから」といった偏見も根強いと言え、他に援助を求めることを躊躇するのも理解はできますが、精神疾患も身体疾患と同じと捉え、「賢い消費者」になり、社会資源を可能な限り利用することが大事と思います。

うまく援助を求めるのも一種のスキルといえます。実際に悩みを抱えている時には、気持ちの余裕がなくて難しいことかもしれませんが、なんといっても自分や家族のためですから思い切ってやってみましょう。 

<筆者略歴>

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村田 晃:心理学博士・臨床心理士

村田 晃:心理学博士・臨床心理士 法務省心理技官として25年間、非行少年や成人犯罪者の心理判定及びカウンセリングに従事。
また、米国の3大学院に計15年にわたり留学し、修士号2、博士号1を取得。2010年帰国し、富山県富山市に 「うつ心理相談センター」、2018年に東京都三鷹市に「うつ心理相談センター東京」を開設。うつを中心とした心理相談サービスを提供している。

(村田 晃:心理学博士・臨床心理士)

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