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プールや水遊び中も要注意! 小児科専門医が教える子どもの“熱中症対策”

thumbnail2 7月と8月は政府が定める「熱中症予防強化月間」。気温が高い日はもちろん、気温が30度を超えなくても前日との最高気温の温度差が5度以上あるときは、熱中症のリスクが高まるとされている。とくに乳幼児や子どもは体温調節機能が未熟で、自分で水分や塩分の補給をするなどの予防策が取りにくいことから、保護者や周囲で見守る大人が十分に気を付けなければならない。

 そこで「子どもの熱中症対策」について、東京・北区の小児科医院「すこやかこどもクリニック浮間」の院長を務め、二人の女児の父親でもある小児科専門医の金井慎一先生に話を聞き、以下にまとめた。

■<子どもの熱中症予防のポイント>

①麦茶ではなく、スポーツドリンクを飲ませる

 水分をこまめに取らせることは基本中の基本。子どもは喉が渇いたことに気付かず夢中で遊び続けてしまう傾向があるため、周囲の大人が声を掛け、こまめに水分摂取を促すことが大切。脱水症状を起こすと汗をかくことができなくなり、体温を下げる機能が低下してしまうため危険だ。

 やむを得ず暑い環境下で活動する場合は、小学生は20分間隔で100~250ml、中学生以上は1時間間隔で1~1.5Lを目安に水分を取るようにする。乳幼児は炎天下での外出は避けた方がよいだろう。

 飲み物はナトリウムが100mlあたり40~80mg含まれている、スポーツドリンクなどの飲料を飲ませることがポイント。子どもに飲ませがちな麦茶は、水分を効率的に体内に吸収するために必要な塩分や糖分が不足しているため、暑い環境下での水分補給のメインとしては避けた方が無難だ。

②吸湿性・速乾性がよい衣服を選ぶ

 水分補給と同様に大事なのが衣類選び。外出時は帽子をかぶらせることはもちろん、衣服は吸湿性・速乾性がよく、ゆったりしたものを着せると、対流により体温を低下させる効果が増す。黒や紺などの濃い色の衣類は日光の熱を吸収してしまうため、外出時は避けよう。一人で行動する小学生以上の子どもは、暑さに応じて衣服を脱ぎ着するように教えておくことも大切だ。

③「湿度」に要注意!

 熱中症と聞くと、つい「気温」だけを気にしてしまいがちだが、熱中症のリスクに関与するのは70パーセントが「湿度」、20パーセントが「直射日光」、10パーセントが「気温」とされている。この条件さえ満たせば、室内でも屋外でも、プールの中でも起こり得る。気温がそれほど高くなくても湿度が高い日は、熱中症リスクが高まっていることを頭に入れておこう。

④「暑さ指数」チェックの習慣化は必須!

 そもそも熱中症は、環境条件によって起こる病気であるため、リスクがある環境下に身を置かないことが最も効果的な予防法といえる。先ほど説明した熱中症を引き起こす要因「湿度」「直射日光」「気温」という三つの熱環境について、日常生活の中で複合的に気を配ることは難しいが、これら全てを考慮し、地域別に熱中症が起こり得るリスクを表す指標「湿球黒球温度(WBGT)」(=「暑さ指数」と呼ばれる)が提唱されている。 環境省の熱中症予防サイトなどで、各地域の熱中症の危険度が簡単に調べられるため、夏場は毎日チェックし、「厳重警戒」「危険」となっているときは外出しない、などの約束ごとを家庭内で決めておこう。これからの時代は、天気予報と同様に「暑さ指数」のチェックの習慣化もマストだ。

⑤プールや水遊び中も水分補給を心掛ける

 熱中症対策のために、暑い日はプールに行かせておけば熱中症にならないと考える保護者も多いだろう。しかしプールなどで水遊びをしているときは、子どもはつい夢中になって水分補給を怠ってしまいがち。例えプールの中でも汗はかいているので、こまめに水分補給をしよう。

⑥急に気温が上昇した日は、警戒が必要

 梅雨明けや台風直後の晴天のタイミングなど、急に気温が上昇したときは身体が暑さに慣れておらず、熱中症になるリスクが高い時期。幼い子どもは特に、汗をかくための汗腺が未発達で、身体が暑さに慣れるまでに時間がかかるため、より警戒が必要だ。

 大人が暑さに慣れるのに4日間かかるところを、小学校低学年では1~2週間、高学年でも1週間弱の期間が必要とされている。7月は冷夏で涼しい日が続いていたが、気温が急上昇した日はより注意し、子どものその日の予定や行動を制限することも、大人の大切な役割だ。

 以上が、小児科専門医が教える熱中症対策だ。

 また、子どもが通う保育園の先生に園で行っている対策を聞くと、①夏は日陰で遊ばせる、②屋外で遊ぶ園児に霧吹きをかける、③午前中は直射日光で遊具が熱くなっているため、遊具での遊びを控える、④1日1回はシャワーかプールなどの水遊びで体温を下げる、⑤散歩の時間を夕方に変更する、⑥こまめに水分補給をし、お茶を飲むことが苦手な子どもは給食時に塩分を含む味噌汁のおかわりの量を増やす、⑦夏場のおやつは甘味ではなく「ハムとチーズのカリカリ揚げ」など塩分のあるものを出す、などの実践的な予防策を教えてくれた。

 子どもは背が低く、地面からの照り返しの影響を多く受けるという話もよく耳にする。ベビーカーは背が高いものを使うほか、乳幼児を乗せた状態でママ友同士で立ち話をしてしまうなど、長時間、乳幼児を直射日光にさらすことがないよう注意したい。子どもを車内に置き去りにしたことで熱中症で亡くなったニュースも毎年後を絶たないため、どんなに短時間でも車内に置き去りは厳禁だ。

<文/小宮山のんの>