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〝食べログやくざ〟が波紋。事実と違う口コミは罪に問われないのか?恐喝行為の可能性は!?

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飲食店などの口コミサイト「食べログ」。初めて利用する店でも、ネットで検索して、お店の情報や一般ユーザーの評判などを知ることができるのは便利ですね。

ところが、悪意のある情報や、誹謗中傷を書き込むこと、逆に「お店の悪口を書かないから」と、店側から金品やサービスを受けるといった、ヤクザまがいの行為をする人、いわゆる〝食べログヤクザ〟が問題になっています。

まるで〝みかじめ料〟のような要求や、正確ではない情報を拡散するなどの行為は、営業妨害や脅迫などの罪に当たらないのでしょうか。クレーマー対策に詳しい、弁護士の中村有作さんに聞きしました。

事実と違う書き込みが原因で実害が出れば、法的手段で投稿者の特定も

Q:食べログに掲載されている評価は、信用性が高いように思ってしまいますが、実際はそうではなかったということが明らかになりました。この実態をどのようにとらえたらいいのでしょう

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ネット社会の落とし穴ですね。自分の知らない物事でも、検索するだけで大量の情報が得られる便利さがある一方、それらの情報が全て事実とは限らないという一面もあります。誰でも簡単に情報や意見を発信できるために、誤った情報もまるで事実であるかのように、流れてしまいます。

たとえば、話題になった事件で、全くの別人の画像がネット上にさらされたということがありました。さらした本人には、その認識はなく、ただ強い正義感に駆られた一般の人が、過激な反応を起こしたために起こった悲劇ですね。同じようなことが、口コミサイトでもあるということです。

Q:そもそも、飲食店側の承諾もないまま、料理や外観の写真、個人的な感想をネット上に書き込むことは、何らかの権利の侵害に当たらないのでしょうか?

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たとえ、マイナス評価であっても、自分がそのように感じて、書き込むことは、罪にはなりません。しかし、きちんとした情報に基づかない、あるいは、明らかに別の目的があって投稿することは、場合によっては、罪に問われることがあります。

たとえば、建物の外観写真が、改装してきれいになっているのに、何年も前の写真を使われて、著しく誤解を呼んだ、あるいは、店や店主に個人的な恨みがあって、故意に悪口を書くなど。これらは、損害賠償請求の対象になったり、業務妨害で刑事事件として取り扱われることもあります。

Q:匿名で誹謗中傷を書き込んだり、金品を要求する行為は法に抵触しないのですか?

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店側に不都合な内容のマイナス評価でも、その人が本当にそう感じたり、事実に基づいているのなら、書き込み自体に問題はありません。明らかに別の目的があって、事実と違う誹謗中傷を書き込むことや、複数のグループで大量に書き込みをすることは、訴えがあれば、前述のような罪に問われることがあります。さらに、「悪口を書かないから」と金品を要求するのは、明らかな恐喝行為と取られても仕方ありません。

Q:実際に悪い評価を書かれたことで、集客や売り上げに影響するなどの実害が出ているようです。どのような対処法がありますか?

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まずは、サイトの運営会社に、こうした書き込みを削除してもらうように働きかけることでしょう。また、簡単ではありませんが、書き込みによって実害が生じたことを証明して、警察や弁護士に訴えることもできます。その場合は、悪質なユーザー個人を特定することになります。悪口に対して、いちいち反論を書き込むことは、結局お店の評判を落とすことになりかねません。

Q:これを機に、口コミサイトを利用する大多数の一般ユーザーにも、ネットリテラシー(インターネットを適切に活用する能力)や、ネットマナーについて理解を深める必要がありそうですね

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口コミサイトだけでなく、自分のホームページやSNSでも、十分な事実確認をしないままの投稿によって損害を与えた場合には、損害賠償を請求されるという事態を招きかねません。投稿する前にひと呼吸おいて、事実か否か今一度検討することを心がけましょう。

往来の真ん中で、大声で主張する人はなかなかいませんよね。ネット上でも同じと考えてみてください。

<筆者略歴>

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中村 有作:弁護士 平成元年 司法試験合格
平成3年  検事任官
平成6年  検事事退官
平成6年  岡山弁護士会登録(弁護士)
平成18年 岡山弁護士会副会長 

中村 有作:弁護士

(中村 有作:弁護士)

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