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三菱UFJ銀行、休眠口座に手数料を検討。導入の背景と対策とは

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三菱UFJ銀行は、入出金がないまま一定期間が経過している口座に維持手数料を課す検討をしていると、大手金融グループ3社で初めて明らかにしました。手数料は年間1200円とする案を軸に調整を進め、来年3月をめどに最終的に実施するかどうかを判断する方針だそうです。対象は、2020年の秋以降新たに口座を開設する預金者で、すでに口座を持つ預金者は対象にしないとのことですが、メガバンク最大手が踏み切るとなると、他の金融機関がこれに続く可能性もありそうです。

これまでは、口座開設が無料のため、個人でも家族単位でも、複数の口座を持つことが当たり前で、特に意識はしていなかったという人が大半でしょう。どの家庭にも、調べてみると数年間放置されていた通帳などが存在するのではないでしょうか。
使っていないのに、持っているだけでお金が減っていくというのは、納得しがたいところですね。少しでも無駄な支出を減らすためには、口座や預金を眠らせていないか、一度チェックしてみる必要がありそうです。

今後、大切な自分の預金がうっかり目減りするということがないようどうするべきか、ファイナンシャルプランナーの土田茂さんに聞きました。

今持っている休眠口座に手数料が課せられることはないものの、この機会に保有口座の整理とお金についての知識を養うべき

Q:メガバンクが口座維持手数料の導入に動きだした理由は?口座の開設は無料なのに、日常的に使っていない口座に手数料を課すのはなぜですか?
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金融機関では、日銀の金融緩和・マイナス金利政策や人口減少、フィンテック(金融サービスと情報技術を結びつけた革新的な動き)といった技術革新による競争激化など、多方面からの影響で経営環境が悪化しており、稼働していない口座の管理費用が重荷になってきたことが理由としてあげられます。

メガバンクであっても、大規模なリストラや支店統合などを行っている時代です。人口減少の激しい地方の銀行や信用金庫などでは、早い段階で口座維持手数料を適用しているところがあり、今後もこういった動きは広がって行くものと思われます。

また景気低迷のなか、数千億円とも言われる休眠預金が存在し、「お金が眠っている」ことが問題視されています。国は「休眠預金等活用法」を施行し、今年から適用が始まっています。

「最終異動日が2009年1月1日以降で、最後の取引から10年間経過している」場合に休眠口座とみなされ、預金保険機構に管理を移行、民間公益活動に活用されるなど個別に管理される場合がある、というものですが、実際には預金が没収されるものではなく、金融機関も休眠口座の払い戻しに対応しています。

とはいえ、国や金融機関にとっても「稼働していない口座」は頭を悩ませている問題の一つといえるでしょう。

Q:休眠状態になってしまう理由はどんなものがありますか
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口座開設の際の本人確認が今ほど厳しくなかった時代には、多くの人が複数の口座を開設していました。

子どもの頃にお年玉やアルバイト代を貯めておいたものから、給料の振り込み用、子どもの学校・園の授業料や給食費の引き落とし用など。やがて、地元を離れたり、子どもが学校を卒業したりして使わなくなったのにそのままにしているなど、誰でも1つぐらいは思い当たるのではないでしょうか。

また、転居した先に、口座を持つ金融機関の支店がない、結婚後、旧姓のままの口座がある、親の遺産を相続した際の確認漏れなど理由はさまざまですが、いずれの場合も預金額が少額だと、わざわざ解約手続きをするのも面倒だということで残ってしまったのでしょう。

Q:休眠口座への手数料適用は、2020年秋以降開設する口座からということですが、現在持っている口座には影響はないのですか?
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「すぐに手数料を取られるのでは」と心配する人も多いかと思いますが、その点はご安心ください。

口座開設の際に、細かい取り決めを記した約款が渡されたかと思いますが、ここに書かれていない手数料をいきなり取られるようになる、ということはありません。今回のケースでも「新規口座」に限ってのものになります。

だからといって、このまま放置していていいというものでもありません。約款に関しても、時代の変化によって必要性や合理性が認められれば、変更する可能性もあります。
今すぐその動きはないにしても、将来的には現時点で持っている口座にも、こうした手数料が導入されることもあり得ないとは言えません。

Q:性急に反応する必要はないようですが、今の休眠口座や休眠預金については、今後どのように対処したらいいのでしょうか?
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日常使っていない口座は、活用するか解約するかの選択をして行動に移すとよいでしょう。本当に使う口座だけを残し、使わない口座は解約することです。

休眠預金となっている場合でも、各金融機関を通じて窓口で本人の預金であることが確認できれば払い戻しができます。また、支店窓口で照会・相談ができるので、むやみに心配する必要はありません。それでも、口座を整理する目的で解約などをした方が、より安心でしょう。

三菱UFJ銀行は2年間、入出金がない場合に口座維持手数料を徴収するようです。
しかし海外の銀行では、残高がある程度以上あるものや、給料の振込口座になっているものなど、一定の条件のもと口座維持手数料を免除したり、金利で相殺できるようにしているところが多いようです。そのため、日本においても無条件に口座維持手数料が掛かることは考えにくいと思います。

Q:今後の預貯金について考えるべきこととは?
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この機会に保有口座も整理し、どの銀行とお付き合いするかを検討するとよいでしょう。ネット銀行やネットバンキングなども上手に活用できると便利でお得です。

また、時代が大きく変化している時こそ「お金の効率」を上げることを考えてはいかがでしょうか。
具体的には、収入を上げる効果がある「資産運用」や、支出でも「消費・浪費・投資」に分けて無駄を省くことを考え実行することです。

そのためには、個人の金融リテラシー(お金やお金の流れに関する知識や判断力)を高めることが必要です。一人一人が社会の中で経済的に自立していくために、お金について正しい知識を持ち、適切に管理できる知識を備えることが重要な時代といえるでしょう。

<筆者略歴>

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土田 茂:ファイナンシャルプランナー 略歴:秋田工業高校(電気科)を卒業後、 自動車整備専門学校を経て地元自動車ディーラーへ就職(整備士)。ふと自分の20年後を考えたとき、25歳までに転職することを決意。デザインの仕事がしたいと独学で学び転職先を探すも断念。しかし広告業界への転職に成功する(営業マン)。

30歳の時に外資系保険株式会社からヘッドハンティングを受けるも私自身大の保険嫌い。というのも私は11歳で母親をガンで亡くし、また父親も当時は難病で寝たきり状態。本来なら保険に助けられているはずが、逆に不信を募らせる対応をされていました。ですので断りに行きがてら営業して来ようぐらいの気持ちで伺うと、そんな嫌いな保険業界を変えて行きましょうと説得され熱い気持ちでイザ金融業界へ!

そこではお客様のライフプランの実現のために保険を提案する仕事で大変やりがいもある仕事でしたが、FPを学んでいるうちに、保険商品だけでライフプランを実現するのは非常に難しいことに気付いてしまう(汗)。本物のFPとしてライフプランの実現をサポートしたい!お客様にも自分にも嘘をついて仕事はできない!と、独立することを決意し退職。
退職後、FPの修行や師匠を探すために上京。日本にFPを導入させた日本のFP界の草分け的存在、井畑敏氏に師事する。そこで改めてライフプランの大切さや実現のツールとしての保険や金融商品(投資商品)の位置付けについて知ることに。また、日本は今後益々アメリカ化していくので、これから日本でもFPが必要になると聞き、どの金融機関にも所属しない独立系FPとしてのやる気を漲らせ帰郷。2012年7月7日独立系FP事務所「ライフ・デザイン・ラボ」を開設。

相談者の「なりたい未来像」を「ライフプラン」として具体化し、その実現のために家計・保険・資産運用・相続・住宅ローンなど、「全体の最適化」を提案し実行のサポートをしている。

これからの日本は、人口↓高齢化↑税金↑社会保障負担↑物価↑です。残念ながら親世代と同じ生活スタイルでは破綻してしまう可能性が高い世の中です。そんな時代に負けない、そしてなりたい未来を叶えられる家計を作るため、ぜひFPを活用して下さい。

土田 茂:ファイナンシャルプランナー

(土田 茂:ファイナンシャルプランナー)

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