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食とエネルギーの自給自足を可能にする「農業の未来の形ソーラーシェアリング」とは

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地方へ移住して自給自足に近い生活を目指す人が増えている?

かつては、多くの人が都市部に職を求めましたが、現在はインターネットの普及などにより、どこにいても仕事ができるようになったこと等から、地方へ移住したり、ふるさとに戻ったり、IターンやUターンで田舎暮らしをする人が増えています。

「オフィスに出勤しなくてすむリモートワークをする」「移住先で新たに仕事を見つける」「定年を機に農業を始める」「若い世代が脱サラをして就農する」など、働き方は多様化しています。

地方にも製造業や加工業といった2次産業、小売業や飲食業、サービス業といった3次産業は存在するので、都市部とほぼ変わらない仕事に就いて生活することは可能です。また、就業人口の減少や高齢化が懸念される農業や林業、漁業といった1次産業を生業にすることもできます。農業を例に挙げると、作業の効率化や収益確保のために農業の機械化が進められたり、人出不足を解消するために法人化して人材雇用を図ったり、就農しやすい状況も整いつつあります。

しかし、もっとシンプルに「気に入った土地に移り住み、これまでの働き方や生き方を見直したい」という人も少なくありません。

そのため、必要最小限の現金(キャッシュ)については何らかの手法で得るとしても、「自分の食いぶちは自分でまかなう自給自足型の小農を目指し、余ったものは地域でシェアする」など、利益や効率性を追求しないライフスタイルが、地域主導で本格化していくのではないかと思います。

なぜなら、田んぼや畑を耕し、自分たちが必要な分だけ育ててそれを食すというのは、人間本来の生活のあり方と言えるからです。

農林水産省:新規就農者調査

太陽光発電により食とエネルギーを創出することが可能になるソーラーシェアリング

スーパーなどの食品売り場には、季節を問わずさまざまな食材が並び、その数はあまりあるほどです。先にも述べたように、今のような大量生産・大量消費の生活ではなく、大地の恵みを大事にした暮らしを送りたいという人は年々増えているように感じます。

人々が、必要なものを必要な分だけ手に取る等身大の消費活動をすれば、生産者もそれに合わせた生産活動を行うことができます。みんなで価値観を共有し力を合わせて生きていくことで、生産と消費の均衡がとれてデフレもインフレも防げるのではないでしょうか。

人間本来の営みや自然環境に対する意識から、注目が集まっているのが「ソーラーシェアリング』です。ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農業を続けながら太陽光発電を行う設備のことです。

耕作地の上約3mの位置に太陽光パネルを設置し、ひとつの土地からエネルギーと食料を同時に創り出す仕組みです。太陽光パネルが配置される間隔は、作物の成長に影響が出ないよう、それぞれの作物に適した遮光率で設計されています設置されます。

創りだしたエネルギー(電力)は販売することも、自家消費として使用することも可能で、農業経営における収益性を高める仕組みとして世界から注目されています。

まさに「クリーンな食とエネルギーの地産地消』の世界です。

食やエネルギーを輸入に頼る日本のリスク

現状の日本において、私たちの食生活で必要な食料を、国内生産で賄えるのは約4割、残りの6割は輸入に頼っています。
日本が海外から食料を輸入するということは、その国のエネルギーや資源、水を使用して生産し、輸送しているということになります。

フードマイレージといって、食料を運ぶのにかかったエネルギーを表す指標があります。生産地から食卓までの距離が長ければ長いほどフードマイレージの値は大きくなるのですが、日本は先進国の中では断トツで値が大きく、環境への負荷が高いとされています。

さらに日本はエネルギーの自給率も低く、「エネルギーマイレージ』の値も桁違いに大きいと言わざるを得ません。ソーラーシェアリングはエネルギーも食材も地産地消、一歩先を行く未来型農業のカタチと言えるでしょう。

今後、何か予期せぬ災害が起こったとき、みなさんは今の仕事で自分や愛する家族を守ることができますか?

「何か」が起こったときは、海外からの輸入が滞る可能性もあります。世界的な穀物価格の高騰、食料不足が進む中、輸入に依存することなく食料の安定供給を目指すことは喫緊の課題ではないでしょうか?

また、「食とエネルギー」は地域社会の絆であり、自分の身を守る根幹ではないでしょうか?「何か」が起こってからでは手遅れなのです。

自分自身や家族を守るためにも万が一に備えることが大切

日本はGDP(国内総生産)の2倍以上の負債を抱えており、その負債額も世界で2番目に大きく、財政破綻が起こる臨界点に限りなく近づいているといわれていますが、天文学的な数字まで膨らんでしまった負債を永遠に放置することは不可能であり、このまま永遠に負債を膨らませていくことも有り得ない選択肢です。

いずれプライマリーバランスを適正な数値に戻すときがやって来ますが、それはどのような形をもって行われるかは「神のみぞ知る」でしょうか。

日本人の身近な記憶を思い起こすと第二次世界大戦直後、それまで発行された戦時国債は全て価値がゼロになり、預金封鎖が行われ、いわゆるフィアットカレンシー(法定通貨)は紙くずに成り果てました。

そして社会インフラおよび流通が麻痺することによって、自給自足の機能を持たない都市部に住む人たちが真っ先に食うや食わずの生活に陥りました。

「歴史は繰り返す」とは古今東西言われていることですが、「備えあれば憂い無し」、どうすれば最悪の事態に陥ったときに自分と周りの人間を守れるかについて真剣に考える必要があります。つまり、「食とエネルギー」について真剣に考えなければいけない時期にきているということです。

地に足が着いたライフスタイルを確立しつつ、世界に誇れる心豊かな地域社会というものを創り上げることにソーラーシェアリングが大きく貢献できるものと考えられます。

<筆者略歴>

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生津 賢也:ビジネスコンサルタント 中央大学卒業後、投資銀行でトレーダーとして勤務。その後、米国駐在、中国留学を経てアジア諸国を中心にさまざまな業界で経営再建業務に携わる。 2018年よりソーラーシェアリング事業分野に身を投じ、ビジネスコンサルタントとして活動中。

生津 賢也:ビジネスコンサルタント

(生津 賢也:ビジネスコンサルタント)

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