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在宅勤務でリモートセクハラが問題に。Web会議のためにテレワークマナーは必要?

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在宅勤務で、パソコンやスマートフォンを使ったWeb会議のシステムが活用されています。新型コロナによって急速に普及が進みましたが、思わぬトラブルやハラスメントが発生しています。

ZoomやMicrosoft Teamsなどのツールを使って、家にいながらリアルタイムで仕事上の打ち合わせが可能になり、速やかに業務が進むというメリットがある一方、不慣れな操作によるミスも多発。

「もっと部屋を見せて」という女子社員への発言や、会議後も個人的な会話の付き合いをさせられるなどが「リモートセクハラ」としてSNS上に登場し、問題にもなっています。

また、「発言する際はなるべく目線を合わせる」「上司や相手先より先に退出してはいけない」など、マナーとして本当に必要なのかが疑わしいことまでささやかれ、混乱があるようです。

今後も、快適に在宅勤務を続けるための最低限のテレワークマナーとは?社会保険労務士の谷川由紀さんに聞きました。

Web会議に不可欠なのは、過度なマナーではなく事前の準備や役割の明確化。独自の技術マニュアルと社内ルールを明文化して混乱を回避すべき

Q:テレワークの導入に際して、社内規定整備や社内研修など、本来どのような準備をするものですか?
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働き方改革の推進などもあって、テレワークについて「以前から導入していた」または「導入を検討していた」という企業では、労働基準法などに基づいて、労務管理上の整備が進んでいます。

「自宅での出退勤の扱いをどうするか」「光熱費などの経費は?」など、労使間のトラブルを防ぐためには、テレワークに関する社内ルールを定める必要があります。

必ずしも既存の就業規則を変更する必要はありませんが、専門の社会保険労務士も加わり、法律に添って一つ一つ検討し、テレワーク勤務規程などを作成するケースは多くなっています。

しかし、このたびの新型コロナの影響で、これまでテレワークに不向きである職種や、必要性がなかった業種の企業にまで導入が余儀なくされた場合、経営者・労働者が共に戸惑っているという現状もあるでしょう。今回の場合、こうした実務上の手続きは、後付けになったとしても仕方ありません。

実際の運用にあたっては、それぞれの企業の実情や社風に合わせて、一定の基準を設けたうえで、ルールとして明文化し、社員全員に周知することが望ましいでしょう。定めたルールを社員に共有することで、例えばテレワーク中の服装や環境など、個人で判断がつきかねる事柄についても明確になりますし、社員が無駄に悩ましい思いをすることも少なくなります。

Q:準備態勢が整わないまま、Web上で複数の人が参加する会議や打ち合わせをすることになった人が直面するトラブルに、どのようなものがありますか?
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システム上のことでは、「音声が消える」「画像と音声にタイムラグがある」というトラブルがよく聞かれます。

また、自宅に適切なスペースがなく、子どもやペットなどのプライベートな映像や会話が映りこんだりするケースもよくありますが、企業体質や部署の雰囲気によっては、こうしたことに寛容である場合もあります。

また、通常の会議でよくある、ちょっとした〝間〟や目配せなどによって伝わる会話の呼吸のようなものが、Web上ではほとんど機能しません。そのために、発言するタイミングを逃して、気まずい沈黙が流れたり、逆に会話がかぶる、といったことが頻発しています。

Q:トラブルの回避と、スムーズなWeb会議の進行のために何が必要ですか?
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Web会議を速やかに行うためには、通常の会議以上に事前の準備が大切です。Web会議を行う以前に、前述のような社内のテレワークルールと併せて、システム上のトラブルや、操作に不慣れな人のための操作マニュアルを作成して周知しておくとよいでしょう。

また、Web会議では通常の会議以上にファシリテーションの存在が重要になります。

会議の目的、論点の整理、流れなどをできる限り事前に明確にしておくほか、進行役、書記、発言者、報告係など、参加メンバーそれぞれの役割もあらかじめ設定しておくと、長い沈黙や発言がかぶるといった事態を回避し、生産性の高い会議の実現につながります。

リアルでの会議のような空気感の伝わりにくさを解消するため、チャット機能を併用するなどのほかに、通常より幾分オーバーアクション気味に表現するなどの配慮も、円滑に進めるための大切なポイントとなります。

Q:テレワークでハラスメントにつながるような問題のある行為とは、どのようなものですか?
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Web上で問題となっているような、プライバシーに関わる過干渉は言うまでもありませんが、テレワークに限らず、業務の適正な範囲を超える質問などは、ハラスメントに当たる可能性があります。

同じくSNSにあげられているように、就業時間中は終日オンラインであるとか、1対1での対話なども、テレワークの性質上、それ自体は問題ではありません。しかし、業務上必要ではないと認められる場合や、本人が不快に思うような言動については、「嫌がらせ(=ハラスメント)」ととられる可能性があります。

Q:パワハラ、セクハラにつながるような行為は厳禁ですが、一方で、Web上の入退場のタイミングなど、以前からのマナーと混同すると違和感があるものも。テレワークマナーは必要ですか?
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組織の中では、テレワークに限らず、社会的な秩序を保つために、礼を欠いたり不快感を与えるような行為をしないといった配慮は当然あるべきですが、業務に関係のない部分での古い慣習までは必要ないはずです。

服装ひとつとっても、最低限の身だしなみが整っていれば大抵の場合OKですが、業種や社風によっては、カジュアルすぎるのはNGということもあるかもしれません。

ですから、それぞれの企業文化を踏まえた基準になるような社内マニュアルが必要となります。こうしたものさえあれば、特段テレワークマナーに神経質になる必要はありません。

「自分が発言する時以外はミュートにして、必要以上の音声情報を与えない」「中座せざるを得ない時には画面を非表示にする」などは、お互いの仕事の効率を上げるためにも、すでに多くの人が行っています。

こうした基本的な配慮以上の過度なマナーまでは、ことさら求めるべきではないでしょう。

Q:最先端の技術を使いながらも、コミュニケーションの場でもある限り、最低限のルールが必要だとすると、それはどのようなものですか?
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働き方改革に取り組みながら、業務の効率を上げるためにもテレワークは効果的なツールで、今後もその導入は進んでいくでしょう。まだ、多くの企業では、そのための体制が整っているとは言い難く、ルールやマナーについても、必ずしも確定したものがあるわけではありません。

企業風土や業務内容によって、それぞれの企業で最も効果的なルールを検討し整えていくことが望ましいでしょう。

<筆者略歴>

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谷川 由紀:社会保険労務士 大学卒業後、旅行会社で勤務。その後、人材業界にてキャリアコンサルティング、営業業務に携わる。在職中の2009年に社会保険労務士試験合格。その後、勤務社労士を経て、2013年に開業、高松太田社労士事務所を設立

2014年度より、厚労省委託事業「育休復帰支援プランナー」として、香川県はもとより、徳島、愛媛、岡山、広島、山口、兵庫等の約200社の育児と仕事に悩みを持つ中小企業に対し、“働きやすく、長く働き続けられる会社”づくりを目指し、企業と従業員双方に対する支援を行う
2016年度は、厚労省委託事業「介護プランナー」として、介護と仕事の両立支援に悩みを持つ中小企業に対する支援業務、厚労省委託事業「女性活躍推進アドバイザー」として、行動計画の策定支援、また女性活躍推進法セミナーに登壇する

また、約11年間の人材業界での経験、外国人技能実習生の巡回指導のキャリアを生かし、ダイバーシティ・非正規雇用問題に関するシンポジウムでは基調講演、パネルディスカッションではファシリテーターを務める
その他、労務問題や年金相談、「アンガーマネジメント(怒りのコントロール技術)」講師として、企業や団体、個人に向け、ハラスメント防止、「お互い様の職場環境づくり」に向けた多様な研修を行っている

谷川 由紀:社会保険労務士

(谷川 由紀:社会保険労務士)

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