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【映画コラム】笑いの中にジェンダーの問題を鋭く描き込んだ『MISS ミス・フランスになりたい!』と『ステージ・マザー』

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 笑いの中にジェンダーの問題を鋭く描き込んだ2本の映画『MISS ミス・フランスになりたい!』と『ステージ・マザー』が、2月26日から同時に公開される。

 まずは、『MISS ミス・フランスになりたい!』から。

(C)2020 ZAZI FILMS – CHAPKA FILMS – FRANCE 2 CINEMA – MARVELOUS PRODUCTIONS

 ミス・フランスになることを夢見る9歳の少年アレックス。だが、事故で両親を亡くし、自分を取り戻せないまま大人になってしまう。24歳になった彼は、幼なじみのエリアスとの再会を期に、忘れかけていたミス・フランスの夢と再び向き合うことを決意する。

 この映画で、男性であることを隠しながらミス・コンテストに挑むアレックスを演じるのは、ジェンダーを超えた美しさを誇るフランスの美男モデル、アレクサンドル・ヴェテール。そもそも彼の存在なくしてこの映画は成立しない。

 加えて、この映画がユニークなのは、アレックスと同じ下宿に住む、ドラァグクイーン、移民、黒人、孤独な老人といったマイノリティーを、彼の周りに配したところだろう。

 特に、皆が集まってアレックスを応援するコンテストのシーンは、あたかも『ロッキー』(76)などのスポーツ映画における試合のシーンの盛り上がりを連想させる。この場合、アレックスは彼らの代表であり、代弁者なのだ。

 そして、この映画のテーマである。男でも女でもないこと、性別を超えて、には、ミス・コンテストへのアンチテーゼや皮肉が込められ、理屈っぽいせりふや、議論や主張の場面もあるところが、いかにもフランス映画らしくて面白い。