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【映画コラム】スカーレット・ヨハンソンの決着のつけ方を見る『ブラック・ウィドウ』

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 「アベンジャーズ」シリーズをはじめ、マーベル・シネマティック・ユニバース映画で活躍した、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウが単独で主役を務めた『ブラック・ウィドウ』が、昨年からの公開延期を経て、7月8日から公開される。

(C)Marvel Studios 2021

 孤高の暗殺者だったブラック・ウィドウが、なぜアベンジャーズの一員になったのかという、知られざる物語が本作で明かされる。監督はオーストラリア出身のケイト・ショートランド。

 ブラック・ウィドウの前に突如現れた“妹”のエレーナ(フローレンス・ピュー)。彼女たちは、幼い頃“偽りの両親”によって育てられ、スパイ組織「レッドルーム」によって暗殺者に仕立て上げられたのだ。その家族が再会したことによってレッドルームの恐るべき陰謀が動き出す。

 物語の時代設定は、『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』(16)と『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(18)の間で、ブラック・ウィドウがアベンジャーズから離れていた時期に起こった出来事として描かれる。

 『アベンジャーズ エンドゲーム』(19)で命を落としたブラック・ウィドウの過去にさかのぼり、墓場からよみがえらせたような映画だが、もはやシリーズの諸作に関する記憶がおぼろげになっているので、スピンオフ的な独立作として見た。今後もこうした流れの中で、手を変え品を変えながら、マーベル・シネマティック・ユニバースは、まだまだ続いていくのだろう。

 女性監督の下、プロデューサーも兼ねたヨハンソンに加えて、エレーナ役のピュー、養母役のレイチェル・ワイズ、ブラック・ウィドウ集団など、“強い女性たち”が前面に出ているのが印象に残った。また、ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフはアベンジャーズに“家族”を求めていたことがよく分かる。

 そして、かつて『エイリアン3』(92)でシガニー・ウィーバーがエイリアンと心中する姿を見せることでリプリー役と決別したように、ヨハンソンも、この映画を通してブラック・ウィドウという役に、何らかの決着をつけたかったのだろうと思った。(田中雄二)