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【洋楽を抱きしめて】第二次ブリティッシュ・インベイジョンの中核だったカルチャー・クラブ

『カラー・バイ・ナンバーズ/カルチャー・クラブ』(ユニバーサル・ミュージック)
『カラー・バイ・ナンバーズ/カルチャー・クラブ』(ユニバーサル・ミュージック)

 1980年代、ボーカルのボーイ・ジョージのゲイ・ファッションとソウルフルで中性的な歌声が強烈な印象を醸しだして一世を風靡(ふうび)したカルチャー・クラブ。デュラン・デュランらと並び第二次ブリティッシュ・インベイジョンの中核だった4人組バンドである。

 カルチャー・クラブのデビューは’82年。同年秋にはファーストアルバム『キッシング・トゥ・ビー・クレバー』をリリース。シングル「君は完璧さ(Do you really want to hurt me)」が全英1位を記録する大ヒットとなり、一躍注目の的となった。

 翌’83年米国に進出し、リリースされた最初のシングル2曲、「君は完璧さ」と「タイム」がいずれもヒットチャートの2位まで上昇。3枚目のシングル「アイル・タンブル・4・ヤ!(君のためなら)」も最高位9位を記録した。

 これでカルチャー・クラブは、ビートルズ以来、デビューアルバムから3曲のトップテン・シングルを出した、初めてのアーティストとなった。

 ビジュアルが注目されたバンドだが、楽曲的にも高い評価を得た。「君は完璧さ」はレゲエを取り入れた幽玄なサウンドで注目され、「タイム」もフィリー・サウンドの味わいがあるとの評論家の指摘を得た。また「アイル・タンブル・4・ヤ!」にはファンク・ミュージックとラテン・サウンドを融合させたスタイルが見られるとの声もあった。

 ’83年秋にはセカンドアルバム『カラー・バイ・ナンバーズ』を発表。後に英国で1位、米国で2位を記録するアルバムだ。シングルカットされた「カーマは気まぐれ(Karma Chameleon)」も英米ともにヒットチャートの首位を獲得するなど、快進撃が続いた。

 シングルの最高位を見ていくと、「チャーチ・オブ・ザ・ポイズン・マインド」(英2位、米10位)、「ヴィクティムズ(いつもふたりで)」(英3位)、「イッツ・ア・ミラクル」(英4位、米13位)、「ミス・ミー・ブラインド」(米5位)といった具合だ。

 ボーイ・ジョージはのちにドラムのジョン・モスとゲイの恋人関係にあったことを明かしている。彼は自伝「Take it like a man」で、「アルバム『カラー・バイ・ナンバーズ』はジョンに対するあいまいなメッセージが詰まった作品だった」と回想した。

 また自身の女装にばかり注目が集まり、マスコミの大多数も彼にばかり焦点を当てがちだったことを振り返り、そのことが「バンドを悪い結婚をしたかのようにしてしまった」。

 ’84年秋にサードアルバムをリリース、’86年に4枚目のアルバムを発表するものの、ボーイ・ジョージがドラッグ事件によって逮捕されてしまう。カルチャー・クラブは活動停止を余儀なくされた。彼はその後もトラブルに巻き込まれ続ける。2005年にはコカイン所持の疑いなどで逮捕される。2007年には監禁や傷害の容疑で逮捕され、2年後には禁固15カ月の実刑判決が下された(勤勉な所内での態度を理由に4カ月で出所)。

 再起をかけ、2018年には前作から19年ぶりとなるカルチャー・クラブとしての第六弾アルバム『ライフ』を発表している。

文・桑原亘之介