「究極の自己チュー」 自己愛性パーソナリティ障害って?

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「究極の自己チュー」 自己愛性パーソナリティ障害って?

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
「 自己愛性パーソナリティ障害 」の人は、自分は最高という自負を持ち、自分を誇大化し、他人からの賞賛を求めます。
他者に無関心でこれを露骨に表現する傲慢なタイプと、他者の反応に敏感で抑制的・内気なタイプが見られます。自信家な半面、欠点を指摘されることに我慢できず、いったん崩れると脆い面をもっています。
また、うつ病やセクハラ・モラハラ・DVなどに陥りやすい面があります。
ここでは、自己愛性パーソナリティ障害の詳細と、このタイプの人への接し方について見ていきましょう。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴

このタイプの人は、自分は特別な存在で、華やかな成功を夢見がちです。自分のために他人は便宜をはかり、賞賛し、特別扱いするのが当然と考えています。注目を引く服装やもったいぶった口調、自分の重要人物ぶりをほのめかす言動などが見られます。
有名人との関係を誇張し、ステータスの高い者に接近していこうとします。取り巻きを求め、人気者として成功する半面、自己陶酔によって悲劇的な結果を招くこともあります。
また、非難されることに弱く、欠点を指摘されると怒り出し、あるいはひどく落ち込みます。
自信家に見えますが、わずかなつまずきに絶望する脆い面を持っています。社会的引きこもりが見られるケースもあります。

ハラスメントに手を染めやすい傾向

自己愛性パーソナリティ障害の人は、第一印象では魅力的に映り、好感を持たれることも少なくありません。しかし、つき合いが深まるにつれて、身勝手さや粗野なことが露呈し、がっかりされてしまいます。
このタイプにとって、相手は自分の都合や利益に利用するものなので、他人の気持ちに無関心で、共感性に乏しいという特徴があります。
このタイプはやや男性の方が多いという説もあります。うつ病との親和性が高いほか、引きこもり、強制わいせつ、セクハラ・モラハラ、ストーキング、DVなどに手を染める傾向も見られます。

自己愛性パーソナリティ障害の人との接し方

上記のような振る舞いに、周囲は何かと苦労させられます。
相手の気分を害さないように忠告するのは至難の業で、忠告や意見が攻撃となって返ってくることもしばしばです。相手の嫌な部分はいったん保留し、良いところを褒めて安心させ、尊大さを傷つけないように注意しながら、進言できるような関係づくりをすることが大切です。
このタイプは基本的に小心で、嫉妬深く、負けん気が強いので、功名心を刺激するように忠告していくことが効果を生むようです。現実処理能力は高くないので、優秀なマネージャー的存在がパートナーになると、能力を発揮し成功へと導かれます。

自己愛性パーソナリティ障害の克服

このタイプは他人のことばに謙虚に耳を傾けることが最も苦手で、逆に言えば耳の痛いことを言ってくれるような他者に学ぶ、他者を尊重することが、障害克服のポイントとなります。
また、集団で協力するのも苦手で、孤立・内閉・自己中心に振る舞いやすいので、チームプレーを必要とするスポーツや活動に携わるのも有効です。他者への献身や社会的活動もいいでしょう。
実は、仏教の開祖であるブッダも、自己愛性障害を抱えていたとする説もあります。自分のためではなく他者のために生きる喜びに目覚めることが、社会への適応の可能性となります。
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

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