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ネットでのチケット転売はダフ屋行為ではない!?

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ダフ屋とは?

ダフ屋ってご存じですか。
コンサート会場やスポーツ会場で「余ったチケットあるよ。」と声をかけ、非常に高額な値段でチケットを売る人です。
ダフ屋については、都道府県の条例あるいは古物営業法で処罰されるおそれがあります。

たとえば東京都では「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」第2条にダフ屋行為を禁止しており、「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」と規定されています。
また、古物営業法第2条で「古物」について次のように定義されています。
「一度使用された物品(中略)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう」。
ですから今回のチケットのような新品のチケットでも売買、譲渡が行われたものは「古物」に該当し、この取引を「業」として、営利目的で反復継続して行うには「許可」が必要で、無許可で行うと罰則(3年以下の懲役または百万円以下の罰金)あります。(古物営業法2条、3条、31条)

チケット転売がネットでは堂々と行われている現状

ダフ屋行為というのは、あらかじめ不特定多数の者に転売する目的でチケットを購入し、これを転売する行為のことを言い、上記のとおり条例で禁止されています。
なぜ、これが禁止されるかというと「チケットがどうしても欲しい」という客の心理につけこんで、高額な値段で不当な利益を得ることになるからです。
ただ、ネットのオークションサイト、あるいは、チケット転売を目的とするサイトもあり、堂々とチケットが転売されています。
定価で転売されていることはなく、定価の数倍、激しい場合は数十倍の値段で取引されていることもあります。

ネットでのチケット転売も違法とされる可能性はある

ダフ屋とネットでは何が違うのでしょうか。
結論から申しますと、ネットでの転売でも違法とされる可能性はあります。
新聞等でも、あるアイドルグループのチケットを高額で転売し、多額の利益を得たとして古物営業法違反で逮捕されたとの報道もありました。

ダフ屋行為を規制する条例は「公共の場所又は公共の乗物において」転売することを禁止しており、ネットでの売買はこれには該当しないため、古物営業法違反での逮捕となったと思われます。
数枚程度であれば「あらかじめ転売目的で購入した」と認定することが難しいですが、
大量のチケットを高額で転売した場合は「最初から転売目的であった。」とダフ屋行為と認定されやすいのです。
ネットでチケット購入そのものが違法とは判断されなくても、主催者側は「転売されたチケットでの入場を拒否する」等チケットに記載している場合もあり、入場が拒否されることもありますから、十分注意が必要です。
主催者側としては、高額チケットの購入はファンに不利益になるとともに、そこで資金が枯渇したファンは会場でのグッズを購入しない等主催者側にも不利な事態を招くので禁止しているのです。
 

<筆者略歴>

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中村 有作:弁護士

中村 有作:弁護士 元検事
損害賠償(交通事故、労働事件【解雇、セクハラ、パワハラ、マタハラ、労災】、クレーマー対策、不当要求)、建物明渡請求(賃貸借)、と相続(遺言、遺産分割)を数多く取り扱っています。特に交通事故の示談は完全成功報酬制です。
【経歴】
平成元年 司法試験合格
平成3年  検事任官
平成6年  検事事退官
平成6年  岡山弁護士会登録(弁護士)
平成18年 岡山弁護士会副会長 

(中村 有作:弁護士)

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