カルチャー

懐かしのあの楽器が驚くような進化!  小中学校を思い出しながらシブい音色を楽しもう

楽器024
大勢の人でにぎわう「楽器フェア」。

 東京ビッグサイトで1019日から3日間開かれた「楽器フェア」魅力的な最新楽器の見本市。各楽器メーカーの自信作が並ぶ。高価格帯の楽器が多いが、1万円余りと手頃な価格で買える入門ないし再入門的な初心者向けの楽器にも注目が集まっていた。 

 これらは子育てが一段落して少し時間に余裕のできたママさんや、一つぐらい趣味で楽器でも身に付けようと思っている殊勝なおじさんたち大人を主なターゲットにしている。中でも、小中学校で触れた人も多い、あの懐かしの楽器を原型にしたタイプが人気だ。 

 サックスやクラリネットへの橋渡し的入門楽器となりそうなのが、リコーダーのようなコンパクトなボディから哀愁漂うサックス調の音が出るユニークな管楽器ヴェノーヴァ(ヤマハ、オープンプライス、税別参考価格1万円)。サックスのような本格的な吹き心地で、リコーダーに似たやさしい指使いで演奏できるよう開発されている。昨年8月の発売以来、2017年度グッドデザイン賞大賞も受賞するなど注目度の高いヒット商品だ。将来本格的な楽器をやってみようと思っている大人に好まれているという。会場で演奏の手ほどきをしてくれたサックス奏者の三浦玲太さんは「入門楽器としてよくできています。円滑に次のステップに行けますよ」と太鼓判を押す。 

大勢の人でにぎわう「楽器フェア」。
大勢の人でにぎわう「楽器フェア」。

 もう一つはその名も懐かしい「大人のピアニカ」(ヤマハ、税抜き希望小売価格1万3000円)。学校の教材として使われている子ども用のピアニカより鍵盤を5つ増やし音域を拡大。まろやかな音色の演奏が楽しめるようにしている。そのため長さは子ども用より若干長めの約48センチ。吹いてみると苦み走った“渋い音”がする。 

 お菓子の世界も甘さを抑えたチョコレートなどを「大人の〇〇」として売り出す場合が増えている。聴覚も味覚同様、大人の感性に訴えるものが増えていくのだろうか。予想を上回る売れ行きで、幅広い層から注目を集め、郷愁に誘われて手にする大人たちも多いという。 

ヴェノーヴァを紹介するサックス奏者の三浦玲太さん。
ヴェノーヴァを紹介するサックス奏者の三浦玲太さん。

 ヴェノーヴァはラテン語の組み合わせ造語で意味は「新しい風」。トリュフォーやゴダールらフランス人監督が映画表現の新たな地平を開いた「ヌーベルバーグ」(新しい波)に似た革新の波が楽器の世界にも押し寄せているのかもしれない。