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【インタビュー】映画『ハケンアニメ!』小野花梨 「カムカムエヴリバディ」のきぬちゃんから天才アニメーター役へ! 俳優業で大切にしているのは「他の人と自分を比べないこと」

【インタビュー】映画『ハケンアニメ!』小野花梨 「カムカムエヴリバディ」のきぬちゃんから天才アニメーター役へ! 俳優業で大切にしているのは「他の人と自分を比べないこと」 画像1

-そんな役者の仕事を子役時代から長く続けてきた中で、大切にしていることはなんでしょうか。

 大切にしていることはたくさんありますが、一番は「他の人と自分を比べないこと」です。今まで、人と比べていい結果に結びついたことってないんですよね。気が付くと「あの子いいな」とうらやましがったり、悔しがったりしていることもありますけど、そんなときは「人と比べない、人と比べない」って自分に暗示をかけるようにしています。「大丈夫、大丈夫。私は私、あの子はあの子。みんなそうやって自分の人生を生きているんだ」と言い聞かせて。だから、「私は私の線路を引いて、そこを歩くんだ」という気持ちはすごく強い方だと思います。

-過去にそういう失敗を経験したということでしょうか。

 そうなんです。人と比べて落ちこみまくって、自暴自棄になって、「もうやだ!」って思った時期もありましたから。中学、高校の頃には、同じぐらいにデビューした周りの子がどんどん売れていったり、私よりも後にデビューした子が連ドラに主演したりすることがよくあったんです。「売れている、売れていない」とか「仕事がある、仕事がない」みたいなことがこんなに分かりやすく出る世界って他にないですよね。だから、その中で自分を強く持ってやっていくには、「他の人と自分を比べない」は必須かなと思っています。

-そういう姿勢は、この作品の登場人物たちにも通じる部分がありそうですね。

 ありますね。王子千晴監督(中村倫也)に憧れているといっても、斎藤瞳監督(吉岡里帆)が、ライバルの王子監督に寄せていったらそれは違うし…。どんな世界でも、根本は同じで、通じる部分があると思います。もしかしたら、仕事だけでなく、人として生きる上で大事なことかもしれません。

-この映画では、そんなふうに「自分の道を信じて歩めば、見ていてくれる人はきっといる」ということも描かれていますね。

 そう思います。きっとどこかに見てくれる人はいて、頑張っていればその誰かに届く。だから、努力を続けることには意味がある。そういうことを描いているのも、この映画のいいところだと思います。私もそう信じて、これからもやっていきたいです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会