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ケーブルレスでアクセスポイント増設 アライドテレシスが世界初の無線LANテクノロジーを開発

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 パソコンやスマートフォンをはじめ、家電や自動車、オフィスビルや工場、病院など世界中のさまざまなモノがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)時代。総務省によると、2020年には世界中で400億台を超すIoT機器が利用されると推定されている。

 さまざまな場所でIoT機器利用されるシーンは増え続け、機器をネットに接続するための無線通信は、電気や水道と同様に重要なライフラインの一つとなっている。特に、オフィスや学校、病院、工場などで利用される場合は、拡張性と安定した通信、セキュリティが万全な無線ネットワークの構築が求められている。

 ネットワーク関連の製品、ソリューション、サービスを提供するアライドテレシス(東京)は4月11日、都内で戦略発表会を開催。同社が開発した世界初のテクノロジーが搭載された無線LANのソリューション「AWC Smart Connect」を2019年9月から提供開始すると発表した。「AWC Smart Connect」はこれまでに同社が開発した「無線LANのアクセスポイントが自律運用し、専門知識がなくても無線LAN環境を構築できる」「移動しても安定的な通信が可能なローミングレス」といった機能に、無線LANのアクセスポイント同士を無線で接続し、ケーブルレスでアクセスポイントを増やして無線ネットワークを拡張できる機能を追加。いずれも世界初のテクノロジーで、病院や工場、学校などLANケーブルの増設が難しい場所での導入が期待される。

※AWC:Autonomous Wave Control(アライドテレシスが開発した自律型無線LANソリューション)

 従来、IoT端末と無線でつながるアクセスポイントは、LANケーブルでバックボーンのネットワークと接続されている。そのため、アクセスポイントの増設にはLANケーブルの敷設工事を伴うため、一定の費用と工期が必要だ。また、無線LANのアクセスポイントの設置には、建物の構造や内部の設置物に影響を受けやすいこと、別のフロアや隣のビルなどからの電波干渉も考慮し、予め調査しなければならない。さらに、気象衛星や軍事衛星、電子レンジなどにも影響を受けるため、画一的な導入設計は難しいとされていた。無線LANの設置後も、近隣にビルやコンビニが建設されたり、スマートフォンなど利用端末が増加することによって、通信が不安定になったり遅延が発生することも珍しくなく、専門知識を持った技術者によるサポートも必要だった。

 「AWC Smart Connect」は、無線のアクセスポイントが自ら情報を収集し解析、対応するという画期的なソリューション。周りからの電波干渉や通信状況に対応しながら、常に良い通信環境を維持する「自律型」の機能を持ち、無線LANの導入時に必要な電波状況の調査も不要。さらに、1つのチャンネルにIoT端末が接続するため、移動するとつながらなくなるといった現象も発生しない。広いエリアでリアルタイムに安定した無線通信が求められる施設には必須な機能だ。また、アクセスポイント同士が無線で接続可能となったことにより、LANケーブルの敷設工事を行わなくても、無線LANエリアが拡張でき、これまでの設置工数に比べ工期が10分の1程度、コストも最小限になるという。簡単に導入ができて安定した通信を維持、さらに柔軟に無線LANエリアを拡張できる「AWC Smart Connect」は専門技術者がいない場所への設置もしやすくなり、無線LAN市場の拡大が加速しそうだ。

 医療現場や工場、倉庫などでも導入が進む無線通信。病院では、医者や看護師が使用するネットワークのほか、ベッドや点滴、患者の状況をリアルタイムに見える化し、病院の安全・安心につなげている。ロボットが稼働する広い工場や倉庫では、稼働率や搬送状況をリアルタイムに分析。Wi-Fiタグによる物品・資産管理によって、生産管理力を向上することも可能だ。

アライドテレシス グローバル マーケティング統括本部 上級執行役員 統括本部長 佐藤誠一郎氏(写真中央)、同社Product Integration Engineering部長 瀧俊志氏(同左)、京都大学 山本高至 准教授(同右)

 

 アライドテレシスのグローバルマーケティング統括本部 上級執行役員 統括本部長の佐藤誠一郎氏は「当社の無線LANソリューションは、簡単に導入ができ、自律型で運用するため専門知識も不要で、柔軟に拡張が可能。さらに目に見えない無線に接続されたIoT端末を“AWC Smart Connect”で見える化させることができる。見える化したIoT機器は、安全・安心を提供するほか、お客様に新たな利益をもたらすことができる。世界中で年間50万台以上販売されている当社のダムHUBを無線アクセスポイントにリプレイスしていきたい」と語った。

 IoT機器を通じた無線通信の利用者とデータ量は今後も増え続けていく。安全・安心で常につながるIoT社会の未来をアライドテレシスのテクノロジーが支える。