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将棋・アマ名人に東京代表の中川さん 地方予選勝ち抜いた代表64人の頂点に

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 第73回全日本アマチュア将棋名人戦全国大会(主催・日本将棋連盟、特別協賛・あいおいニッセイ同和損保)が9月7日から9日まで、東京都港区のホテルで開かれた。全国の地区予選を勝ち抜いたアマチュア棋士64人が参加、台風15号が関東を直撃する中、静かな熱戦が繰り広げられた。

 高校生プロ棋士、藤井聡太七段の活躍にみられるように、アマチュアの将棋界も盛り上がりを見せており、今大会は14歳の中学生から60歳のベテラン棋士まで出場、幅広い年齢層の将棋人気をうかがわせた。

優勝した中川慧梧さん

 アマ名人戦は、1947(昭和22)年から開催している歴史ある大会。初日は予選リーグで、勝ち残った32人が2日目、3日目の決勝トーナメントに進んだ。決勝は東京都代表の中川慧梧さん(27)=アマ六段=と静岡県代表の高橋英晃さん(31)=アマ五段=の、いずれも決勝初進出の対戦となり、103手目で先手の中川さんが勝利を収めた。

 中川さんは青森県八戸市出身。小学2年の時に将棋を始め、岩手県での高校時代や京都での大学時代に数々のアマ棋戦タイトルを取った実力者で、会社員となった今は東京都大田区に在住。

感想戦で決勝を振り返る中川さん。手前は準優勝の高橋さん

 8回目のアマ名人戦挑戦で初の頂点に立った中川さんは、表彰式後に感想を聞かれ「高校生の時にこの大会でベスト4に入って以来、なかなか決勝まで進めなかった。全国大会出場も社会人になってからは初めて。同世代の人がいろいろタイトルを取っているので、最後のチャンスと思って指した」とほっとした表情だった。

 準優勝の高橋さんは浜松市の会社員、3回目の出場で決勝に進出したが、かなわなかった。3位は神奈川県代表の小山怜央さん(26)=アマ六段=と兵庫県代表の天野啓吾さん(39)=アマ六段=だった。

日本将棋連盟の佐藤康光会長

 大会前日の9月6日には、会場のホテルで前夜祭が開かれ、この大会を後援する全国地方新聞社の東京支社長らも各県代表の激励に駆け付けた。主催者を代表してあいさつした日本将棋連盟の佐藤康光会長は「最近は人工知能(AI)の影響もあってかアマチュアのレベルが上がっており、私たちプロ棋士も痛い目に遭っている。29回目の出場という経験豊富な人もいれば、初参加が21人もいる。令和となって誰が新たな歴史をつくるのか、興味は尽きない」と話した。

あいおいニッセイ同和損保の堀田正和・広報部担当部長

 特別協賛のあいおいニッセイ同和損保の堀田正和・広報部担当部長は「保険の世界でもAIが切っても切れない存在になっている。ただ、将棋はやはり、最後は人間同士の戦い。いち将棋ファンとして熱戦を楽しみにしている」と期待を込めた。

 参加者のアマ棋士たちも、大会を前に緊張した面持ちで前夜祭に臨んだ。大阪府代表の大学生、小林智晴さん(21)=アマ四段=は初出場。「大阪は地区予選が激戦なので、大会に出られるだけでも大変だった」と振り返った。愛媛県代表の池田英司さん(48)=アマ四段=は、勤め先の警備会社のシフトを終えてから駆け付けた。「いくらAIで勉強しても人間は失敗する。戦いはやってみなければわからない」と話した。