
新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、最前線で闘う医療関係者を支えようとする動きが増えている。
運送業を手掛けるハーツ(東京都江東区)は、医師や技師、看護師などの現役の医療従事者限定で、同社が運営するサービス「レントラ便」を無料で利用できる取り組みを始めた。対象は5月31日の利用分までだが、延長する見通しだ。最大200件まで受け付ける。
「レントラ便」とは、運転手付きトラックを1時間単位でレンタルし、運搬してもらうサービスだ。トラックの利用途に制限はなく、レンタカーと運送会社の利便性を兼ね備えているという。今回のサービスで利用できるトラックは、軽トラック、1トンバン、2トンの3種類。ただ、利用できる範囲は関東周辺のみだという。
申し込み方法は、レントラ便公式サイト(https://rentora.com/media/20200416-2/)から、見積りフォームを入力して送り、最下部の「その他の連絡事項」欄に、医療従事者と記載する。その後、メールまたは電話にてハーツから連絡が入り、詳細を打ち合わせする。
今回のサービスを開始した背景には、ハーツの山口裕詮(やまぐち・ひろあき)代表が東日本大震災の翌日に、仙台市に緊急支援物資を届けたことを皮切りに、トラックで50回以上、東北各地に緊急支援物資の運搬を実施したことがある。現在も、東日本大震災の災害住宅に物資を届けるなど、継続して活動中だという。
ハーツは「戦後最大の国難に対し、当社のトラックで社会支援することは、公共の道路で事業を行っている当社の使命と考えている」としている。