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「精いっぱい頑張りたい」と決意表明 一力新碁聖の就位式、都内で開催

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 一力遼(いちりき・りょう)新碁聖(23)の第45期碁聖就位式が10月16日、東京都港区の第一ホテル東京で開かれた。一力碁聖は「多くの人に支えられて得た初タイトル。これからも大きな対局が続くが、国内戦、国際戦どちらも精いっぱい頑張りたい」と新たな高みへの決意を示した。

 一力碁聖は8月14日、6度目のタイトル戦で、初タイトルの碁聖を獲得した。5歳のころから囲碁を始め、13歳でプロ入り。若手の国際棋戦で優勝するなど順調に頭角を現した。七大タイトルのいずれかのタイトル獲得は「時間の問題」とみられていたが、予想外の5度の“足踏み”状態が続いた。今回の碁聖獲得をきっかけに、大きな飛躍が期待される。

 碁聖の允許状(いんきょじょう)を一力碁聖に手渡した、日本棋院の小林覚理事長は「一力さんがなぜ七大タイトルに手が届かないのか、みんな不思議に思っていた。これから先は伸び伸びとタイトルを取ってください。きっと世界チャンピオンになって日本囲碁界を盛り上げてくれる」と話し、大きな期待を寄せた。

 一力碁聖はその碁の実力以外にも、新聞記者(河北新報社記者)として多くの人に碁の魅力を広める“文章力”を持つ。碁石の代わりにペンを持ち、新型コロナウイルスの感染下、知られざる棋士の生活ぶりを自ら発信するなど、棋士だけではなく記者としても囲碁界に貢献している。

碁聖戦を主催する新聞囲碁連盟代表としてあいさつする温井伸・北國新聞社社長(左)。右は一力遼碁聖=10月16日

 

 碁聖戦を主催する新聞囲碁連盟の代表として、就位式であいさつした温井伸・北國新聞社社長は「いろいろ大変なことはあるでしょうが、プロ棋士と現役の新聞記者という二足のわらじ、今風にいえば二刀流での活躍を同業の者として、ご期待を申し上げる」とエールを送った。

 まったく異なる二つの業界から大きな期待を集める一力碁聖。この日の就位式終了後、記者に囲まれ「これから記者として執筆でも忙しくなると思うが…」と問いかけられると、「やはり囲碁が中心、そこに集中する」と答えた。今回の初タイトル獲得で波に乗る〝今〟は、囲碁に力を注ぐ覚悟を示したようだ。