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企業が取り組むハラスメント対策

Side view of exhausted businesswoman sitting on chair in office

ハラスメントの種類

 ハラスメントは、従業員の心身に影響を与えて、休職や離職を招くリスクに加え、ハラスメントが原因で訴訟に進展するなど、従業員にとっても、企業にとってもマイナスの影響を与える要因になります。

2017年1月には改正育児介護休業法が施行され、マタハラ(マタニティーハラスメント)の防止に向け、相談窓口設置などの措置を設ける義務が企業に課せられるなど、近年、企業側のハラスメント対策への取り組み強化が求められるようになってきています。

 では、世間ではどのような行為がハラスメントとして認識されているのでしょうか。たとえば、三大ハラスメントと呼ばれる「パワハラ(パワーハラスメント)」「セクハラ(セクシャルハラスメント)」「マタハラ」の場合は、次のような行為が該当する可能性があります。

1)パワハラ

 パワハラは自分の地位や立場を利用し、適正な業務の範囲を超えて行われる、相手に不快な思いをさせる発言や行動をいいます。

 例えば、「暴力行為(殴る、蹴る、ポスターや本などで叩く)」「人前で大きな声で怒鳴る」「他の従業員と別の場所で仕事をさせる」などが該当します。

 

2)セクハラ

 セクハラは相手に不快な思いをさせる性的な発言や行動をいいます。

 例えば、「性的関係を強要する」「身体に接触する(肩に手を置く、髪の毛に触る、頭をなでるなどを含む)」「身体的特徴を指摘する」などが該当します。

 

3)マタハラ

 マタハラは婚姻、妊娠・出産などを機に行う、相手に不快な思いをさせる発言や行動をいいます。
例えば、「解雇を迫る」「減給や降格処分にする」「早退時や育児休暇取得時に嫌みを言う」などが該当します。

 これらのほかにも、アルコールが苦手な人に飲み会などでアルコールを強要する「アルハラ(アルコールハラスメント)」、男らしさや女らしさを持つよう強要する「ジェンハラ(ジェンダーハラスメント)」、セクハラ被害を相談した人に対して、相談を無視するなどの不誠実な対応をとる「セカハラ(セカンドハラスメント)」など、さまざまなハラスメントがあります。

 

企業がとるべきハラスメント対策

 

1)相談窓口の設置

 セクハラとマタハラについては、相談窓口をあらかじめ設置することが義務付けられています。また、相談窓口担当者については、ハラスメントの内容や状況に応じて適切に対応できるようにすること、ハラスメントが発生している場合だけでなく発生の恐れがあるなど、幅広い相談に対応することが義務付けられています。

 相談窓口は、従業員からハラスメントについての相談があった際に、ハラスメントの事実確認や相談者の心のケアを行います。

 ハラスメントの相談者は、行為に対するショックや今後の仕事への不安などから、精神的にデリケートな状態にあることが多いものです。そのため、社内(総務部)と社外(顧問弁護士)に別々の相談窓口を設けたり、女性の相談員がいる相談窓口を設けたりするなど、相談者が安心して利用することができる環境を整えましょう。

 

2)明確なルールの作成

 ハラスメントは性別や世代、その他育ってきた環境などに基づく考え方の違いによって、その判断基準は異なります。そのため、自分はコミュニケーションの一環だと思った行為が、相手からはハラスメントとみなされたという擦れ違いが起こる場合などがあります。

 ただし、ハラスメントの判断基準の違いは、性別・年齢・役職などによってある程度傾向をつかめる可能性があります。個人面談やアンケートなどを行って、ハラスメントの判断基準を従業員ごとに整理し、その結果を社内ルールに反映します。ルールを作成する際には、「○○という行為は、ハラスメントとみなす」など、就業規則やハラスメント防止規定などに明確に定めるようにしましょう(注)。それによって、判断基準の違いによるハラスメントの発生を予防し、万が一ハラスメントが発生した場合も、会社としての対応がスムーズに行えるようになります。

 ルールを作成したら、イントラネットに掲示したり、ハンドブックを配布したりして、従業員に対する周知を徹底しましょう。

 (注)セクハラとマタハラについては、ハラスメントの内容、職場でハラスメントがあってはならない旨、行為者への対処方法などについて明確なルールを定め、従業員に周知・啓発することが義務付けられています。

 

筆者:日本情報マート

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