ふむふむ

オリンピック会場でヨットを体験 滑るような感覚に小中学生感嘆

 

海面を滑る感覚にご満悦の表情
海面を滑る感覚にご満悦の表情

 2020年の東京オリンピックでセーリング競技の会場となる神奈川県の江の 島で、県内の小中学生約50名を対象にヨットに実際に乗ってみる海上体験会が 10月15日に行われた。当日はあいにくの雨模様ながら、5~6メートルの絶 好の風が吹き海面を滑るような感覚に参加者から感嘆の声が挙がっていた。

1964年東京オリンピック当時の江の島の聖火台
1964年東京オリンピック当時の江の島の聖火台

 江の島は1964年の前回の東京オリンピックでもヨット競技(当時)の会場 となり、湘南という土地柄に加え海岸の景色も素晴らしく、日本のヨットの聖地 ともいうべきところだ。愛好者には知られていても、ヨットの楽しさや競技の面 白さを一般の人に理解してもらうのは別。海上体験会は20年の本番までにセー リング競技を身近に感じてもらい、生涯スポーツとしていつまでも楽しめること をアピールするのが狙いだ。ハンザ級と呼ばれる小型艇が10艇用意され、地元 神奈川県セーリング連盟のインストラクターと子どもが乗り組み、風の力だけで ヨットが進む不思議と感覚を体験した。ベテランぞろいのインストラクターも心 得たもので、艇と艇がぶつかりそうになる寸前に進路を変えたり、隣の艇と競っ てみたりと、ちょっとしたレース気分を味わえるよう工夫され、参加者も寒さを 忘れ大喜びだった。

楽しい体験に思わず笑顔も
楽しい体験に思わず笑顔も

 江の島では今後、本番までワールドカップ・シリーズなどいくつもの国際大会 が予定され、20年に世界最高のレースが実現できるよう準備を進めていく。風 は沖合に出るほど安定し、陸地に近いと乱れる傾向がある。しかし、陸から遠い 海面だと観客からは見にくく頭の痛い問題だ。そこで予選レースは沖合で行い、 最後のメダルレースをより江の島に近いところで行う案が競技関係者の間で浮上 している。今後のプレイベントを通じてベストな海面設定を探っていくという。

ブイの周りを競るように回りレース気分も味わう
ブイの周りを競るように回りレース気分も味わう

 子どもたちだけでなく体験会を取材した報道陣もヨットに試乗した。艇はハン ザ級より大きい470級。1996年のアトランタ・オリンピックで、重由美子 ・木下アリーシア組が、ヨットで日本選手初のメダルとなる銀メダルを獲得した クラスだ。操作するのは専修大学ヨット部のメンバー。風を読ながら舵を握るス キッパーと、帆(セール)を操るクルーが息の合った操作で艇を進める。動きは 機敏で全く無駄がない。比較的、波が小さかったこともあり、文字通り滑るよう な感覚で、風と一体になる気分が心地いい。想像以上にスピードも出る。途中、 早くも江の島で合宿を行っているドイツ女子選手の艇とすれ違う。彼女たちから 笑顔の挨拶が送られてきた。江ノ島がどこの国か分からなくなるような、国際色 豊かな雰囲気に包まれるのも、もうすぐだ。

体験を終え桟橋に戻ってきた参加者、お疲れ様
体験を終え桟橋に戻ってきた参加者、お疲れ様