おでかけ

ムハ(ミュシャ)の街を歩く【その1】 プラハの春から半世紀

市民会館正面
市民会館正面

 ボヘミアとモルダヴァ、そしてスメタナやドヴォルザークを生んだ町を流れるヴルタヴァ(モルダウ)川。語感だけでも旅情をそそる国、チェコは今年、スターリン主義体制に反対する民主化改革、「プラハの春」から50年を迎えた。ムハ(ミュシャ)の描いた数多くのアールヌーヴォーをはじめ、人々を惹きつける建築、絵画、音楽。冷戦をまたいだ“旧世界”の残り香が交錯する古都プラハでは、観光客で賑わう広場の脇で、「ソビエト侵攻50年」の写真展が開かれていた。EU加盟国でありながら未だ自国通貨、コルナを使い続ける中欧独特の空気は、“ヨーロッパの旅”ではくくれない味がある。

ソビエト侵攻50年の写真展
ソビエト侵攻50年の写真展
レトロな形のトラムが広場を横切る
レトロな形のトラムが広場を横切る

 旧市街広場は、商人たちが行き交った10世紀ごろまでさかのぼり、二度の大戦でも大きな被害を受けず、当時からあまり姿を変えていないと言われる。その証言者のごとく、バロック、ルネサンス、そしてゴシックとさまざまな様式の建物が広場を囲み、中央には宗教改革の先駆者、ヤン・フスの像。12世紀に建てられたティーン教会のそびえる二本の塔が、赤い屋根の並ぶ旧市街でひときわ異彩を放つ。

旧市街広場とヤン・フス像、ティーン教会の塔
旧市街広場とヤン・フス像、ティーン教会の塔
スメタナホール入り口
スメタナホール入り口
スメタナホール内部
スメタナホール内部

 広場の東側には、ムハの芸術とプラハの春を全身で感じることができる場所がある。市民会館だ。20世紀初頭、王宮跡に建てられた会館は代表的なアールヌーヴォー建築で、正面の装飾からムハを堪能できる。会館内にあるスメタナホールは、毎年プラハの春国際音楽祭が開かれている場所。会館の見学ツアーなどでムハが手掛けた「市長の間」を見るのもよし、旅が決まったらその期間にあるコンサートのチケットを取るのも一興だ。会館両翼に広がるレストランで軽い夕食をとり、コンサートを聴きながら豪奢な壁画や天井画を眺めると、チェコの近現代を体感できる。

市民会館内側から見たステンドグラス
市民会館内側から見たステンドグラス
市民会館のレストランメニューブックもムハ
市民会館のレストランメニューブックもムハ