社会

「人の笑顔のためにがんばりたい」 ボランティア・スピリット・アワード全国表彰式

受賞者の全体写真
受賞者の全体写真

 東京・有楽町のクリスマス・イブ。冷たい風が強く吹き荒れる中、東京国際フォーラムのホールは熱気に包まれていた。

 地域でボランティア活動に取り組む青少年を応援する「第22回ボランティア・スピリット・アワード」の全国表彰式が12月24日午後、都内の東京国際フォーラムで開かれた。全国7ブロック40組のブロック賞受賞者が全国各地から集結。その中から、「文部科学大臣賞」が中学生部門・高校生部門から各1組、「スピリット・オブ・コミュニティ奨励賞」が中学生部門・高校生部門から各4組のほか、ブロック賞受賞者同士の投票で選ばれる「米国ボランティア親善大使」2組がそれぞれ選ばれた。

 プルデンシャル生命保険、ジブラルタ生命保険、プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険などが主催するこのアワードは、1995年に米国で始まり、日本は1997年からスタート。現在では、日本を含め7カ国1地域で実施している。個人やグループでボランティア活動をしている中学、高校生であれば、誰でも応募できる。地域貢献度・発想力・企画力・実行力などをポイントに総合的に審査する。今回は、前年より約400組多い1631組の応募があった。

 この日の全国表彰式では、今年11月に各ブロックの表彰式でブロック賞を受賞した計40組が、保護者や関係者らの盛大な拍手に包まれて入場した。プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン 代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の倉重光雄氏は「今回から、(受賞対象を)中学生部門、高校生部門に分けました。中学生の皆さんには受賞の可能性がさらに広がり、この表彰式を通じ高校生の活動に触れ、大きな刺激を受けていただきたい。高校生は、中学生のよき先輩として、彼らのお手本になってほしい。交流を通じ、中学生も高校生も大きく成長するチャンスが生まれると確信します」とあいさつした。

 アワードの頂点となる文部科学大臣賞の中学生部門では、奈良県立青翔中学校(奈良県御所市)3年の阿部空也(あべ・くうや)さん(15)が、高校生部門では宮城県農業高校(宮城県名取市)3年の祭城武(さいき・たける)さん(17)がそれぞれ受賞した。来年5月に米ワシントンで開かれる全米表彰式に参加する米国ボランティア親善大使には、文部科学大臣賞とのダブル受賞となる祭城武さんと、スピリット・オブ・コミュニティ奨励賞に

 輝いた、ぐんま国際アカデミー(群馬県太田市)高等部3年の伊谷野真莉愛(いやの・まりあ)さん(17)が選出された。

文部科学大臣賞を受賞した阿部空也さん
文部科学大臣賞を受賞した阿部空也さん

 中学生部門で文部科学大臣賞に輝いた阿部さんは、小学1年生から落語教室に通い、その特技を生かして社会福祉施設や老人会などに出前落語のボランティアを実施している。年約30回の高座を開き、多くの高齢者らを笑顔にしている。将来の夢は落語家になることだという。「今後は、マジック、バルーンアートなどほかの分野ともコラボしながら、活動に取り組んでいきたい」と意気込む。

文部科学大臣賞と米国ボランティア親善大使に選ばれた祭城武さん
文部科学大臣賞と米国ボランティア親善大使に選ばれた祭城武さん

 今回、ダブル受賞となった祭城さんは、東日本大震災の被災地である宮城県名取市を元気にしたい、という思いから、地元特産品で、日本最北となる「北限のシラス」を使って、アイデア商品を生み出している。学校内のクラブ活動である「農業経営者クラブ」を通じ、これまで100以上の商品を開発したという。

 中でも「北限のシラス」をご飯と春巻きの皮で包んだ「パリッと閖上(ゆりあげ)おにしらす」は、第6回「ご当地!絶品うまいもん甲子園」(一般社団法人 全国食の甲子園協会などが主催)に応募し、全国最優秀賞を受賞した。

 その後、コンビニ大手のファミリーマートが、優勝した同校のメニューを生徒たちと共同で商品化。その結果、握らないおにぎりである、おにぎらず「カリッ!と おにしらす」の商品名で売り出し、2018年2月から期間限定で店頭に並んだ。商品化したおにぎらずは、しらすおかかをメインの具材にして、カリカリ梅、高菜、チーズなどを使った。

 文部科学大臣賞の賞状を壇上で受け取った祭城さんは「今回の受賞はとてもうれしい。これまで地元を元気づけるためにやってきました。名取市のシラスをもっと知ってもらい、海外にも発信していきたい」と少し照れながら話した。

 来年4月に福島大学に開設される「農学群食農学類」に進学が決まっているという。ここは、東日本大震災、福島第1原発事故からの福島県農業の再生と復興に貢献することを目的として設置されるものだ。祭城さんは「福島の大学で勉強し、地域の特産品を活用しながら、地元をもっと盛り上げたい。今後も人の笑顔のためにがんばっていきたい」と力強く抱負を語った。