カルチャー

“ぼくをいやな気もちにさせないでください” 離婚家庭に寄り添うシンガポール政府作成の絵本

絵本表紙
絵本表紙

 日本ではまだオープンに話す雰囲気は少ないが、厚生労働省の統計によると、2017年度の離婚数は21万件にも及ぶ。離婚は当事者同士にとってもつらい経験だが、一番被害を受けるのはその子どもかもしれない。2017年、シンガポールの社会・家族開発省(The Ministry of Social and Family Development)は、『DEAR MOM AND DAD, DON’T MAKE ME FEEL BAD: A Child of Divorce Speaks Up』(Hui Min Lim作)という絵本を制作。この絵本を、離婚する家族をサポートする部門の窓口で無料配布している。絵本の主人公は両親が離婚した小学生の男の子。両親に気持ちを伝えようと、一大決心をして書いたシンプルな手紙が本文になっている。

 この絵本(和訳『お父さんお母さんへ ぼくをいやな気もちにさせないでください – 離婚した両親への手紙』)が明治学院大社会学部の野沢慎司教授によって翻訳され、「日本離婚・再婚家族と子ども研究学会」から発行された。はしがきでは、「親の離婚は、子どもたちに混乱や悲しみ、そしてときにはトラウマをももたらすことがあります。この本が、親の離婚を経験する子どもたちの思いや気持ちに親の皆さんが気づく手助けになれば幸いです。」と説明している。

翻訳者:野沢慎司 明治学院大学副学長・社会学部教授
翻訳者:野沢慎司 明治学院大学副学長・社会学部教授

 結婚も離婚も大人の都合。でも子どもにとって親は永遠に自分のパパとママ。どちらの悪口も聞きたくないし、どちらともいつまでも親子でいたい。そんな“純粋な”子どもの気持ちに大人が気付いてあげよう。