カルチャー

『デカメロン2020』連載開始 コロナのいま、日本人も共感できるイタリアの若者の意気込み

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 「これって、隔離でしょ。昔の人達は、こういうときどうしていたのかしらね?」「それぞれ物語を披露しあっていたのよね」「ボッカッチョの『デカメロン』を読み直してみない?」「いいかもね!それで、私達もその日に思ったことをメモしてみるのはどう?」「わあ!」

 新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、非常事態宣言が発動されたイタリア。ヴェネツィア、ミラノ、ボローニャ、ローマ、モンテレッジォ、シチリア島などで暮らす14~29歳の若者たちが、ささやかだけど小さくない声をつむぎ始めた。彼らが、耳をすませ、見て、感じて、触れた、いまのイタリアのたたずまいを届ける連載、『デカメロン2020©』が方丈社(東京)のHPでスタートした。企画と取材、翻訳は『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』の内田洋子さんだ。

 デカメロンは14世紀、ジョヴァンニ・ボッカッチョの作品。1348年のペストの蔓延からフィレンツェ郊外に逃れた若い男女10人が10日間語りつくすという趣向の物語で、連載はその現代版だ。封鎖、外出禁止と新型コロナウイルスの感染の拡大とともにフリーズしていく欧州。その不安の中で、できることを一つずつ始めて主体的な生活を維持するイタリア人の意気込みが見える。

 「全部閉まっている。全部。それでまた考える。私には、もしかしたらそんなに悪いことでもないのかも。ふだん毎日の忙しさに流されて思うようにできていなかったことに、もっと時間を割けるから。」