素材の良さを生かしながら美しさを追求するインテリアデザインの設計。その過程では大量の廃材も生まれ、廃棄にも費用がかかるという現状がある。インテリアデザイン事務所「DRAWERS」(大阪市)は、廃材にデザインの力で新しい価値を与えるプロダクトブランド「wa/ter」の運営を、このほど始めた。価値がないとされるものに新たな価値を創造し、大量生産ではなく、小ロット生産でロスを低減することを目指す。
木材屋の家具製作の際に出る端材で製作した積み木「building block」は、無垢の木材(メープル、ウォールナット)なので子どもがなめても害がなく、木の香りを感じられる。ガラスのオブジェ「ガラスのかたまり」は、吹きガラス工房で溶解炉の底にたまったガラスの大きな塊を一度砕き、再加熱して生まれ変わらせた。同じ形のものは存在しない唯一無二のオブジェだ。同じくガラスが素材だが、今はなきブラウン管テレビのガラスを再生して作ったオブジェが「hamon」。アロマをたらしたりブックエンドにしたり、使い手の自由な創造性で価値が変化する。
「商品を見つけてくれた人が、作られる過程や理由を知った上ですてきだと感じて手にしてくれること」がDRAWERSの一番の願いだという。「いいものを生み出すにはまず自分たちが楽しんでワクワクできる環境を」と、この8月に、淡路島の海沿いで古民家をリノベーションしたリモートオフィス兼貸し別荘をスタート。ものづくりを五感で体感し、探求している。