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マインドハッキング トランプ大統領を誕生させた驚きの手口とは?

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 SNSで何気なく“ポチ”している「いいね」。この蓄積を分析すると、本人の考え方や性格が分かってくる。そんな手口で米大統領選での国民の投票行動に多大な影響を及ぼした元「ケンブリッジ・アナリティカ」の社員、クリストファー・ワイリー氏が書いた告発本『マインドハッキング あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア』(新潮社)が発売になった。価格は税別2,100円。

 トランプ氏の続投か、バイデン新大統領の誕生か。今年の米大統領選投票まで、二カ月を切った。4年前、「まさか」と思っていた人も多いトランプ政権誕生の原動力となったのは、「ケンブリッジ・アナリティカ」(CA)というコンサルティング会社。ソーシャルメディアとビッグデータを駆使して、アメリカ国民の投票行動を操り、劣勢といわれたトランプ氏の大逆転を可能にしたといわれる。そんな謎に包まれたCAの元社員で、一連のスキームづくりに携わっていた著者が、大統領選を巡っての詳細な手口を明かした衝撃の告発本だ。

 彼らが狙い、利用したのは、フェイスブックに集積された膨大な個人情報。巧妙に仕組まれた性格診断アプリを介して、回答した本人のみならず、その友人の情報までを入手、その数なんと8,700万人分だ。これを元に、それぞれのユーザーごとにカスタマイズした情報を流すことで、人々の憎悪をかき立て、分断を煽り、投票行動を操ったという。

 「自分はそんな簡単に個人情報を盗まれないし、情報にも踊らされない」と信じていても、すでに術中にはまっている可能性は高い。「いいね!」10個分の分析で職場の同僚よりあなたを知ることができ、150個では家族より、そして300個分の分析であなたの配偶者よりも、あなたの行動を正確に予測できる――と聞いて、軽はずみな“ポチ”を悔やむ人も少なくない。

 世界的な生物学者で、『利己的な遺伝子』著者のリチャード・ドーキンス氏も「どうか、どうか、どうか、マインドハッキングを読んでほしい」と連続ツイートするなど、各界の識者からさまざまなコメントが寄せられている。