カルチャー

コロナを乗り越え力強い「フィールドキャスト」に! 東京オリパラを支えるボランティアたちへのメッセージ

二宮雅也・文教大人間科学部准教授
二宮雅也・文教大人間科学部准教授

 東京オリンピック・パラリンピック大会が新型コロナウイルスの影響で1年延期され、選手はもちろん、運営側やボランティアなど大会をサポートする人たちにとっても仕切り直しからの準備が行われている。

 大会のスポンサー企業のENEOS(エネオス)は、このたび、大会のボランティアに参加する社員向けに、日本財団ボランティアサポートセンターの協力のもとセミナーを開催。スポーツボランティアの第一人者である二宮雅也・文教大人間科学部准教授が、延期された大会までの有意義な過ごし方などについて語った。

 エネオスが今年8月に行った調査では、ボランティアとして登録している社員のうち8割超が、「2021年に延期された大会でもボランティアとして活動したい」と答えている。二宮氏は、「これまでのオリパラのボランティアは、楽しさ、自己実現、持っているスキルを生かす面などが大きかった。しかし、新型コロナウイルスの影響で、ボランティアの使命が一層大きくなった。困難な状況を、どのようにみんなで手をつないで乗り切れるか、ボランティアの真価が問われている」と話した。

 今大会のボランティアの愛称は「フィールドキャスト」。ボランティア登録している社員向けに行ったエネオスの今年1月の調査では、69%が「他社のフィールドキャストと交流する機会があれば参加したい」と答えた。「参加したいが地方在住のため参加できない」(15.6%)を合わせると、85%弱が参加したいという結果だった。二宮氏は、リクルートワークス研究所の「人生100年時代のライフキャリア」調査(2018)において、「ボランティア・NPO」「社外ネットワーク」に対して積極的な人たちは、これからのキャリアや人生について「前向きに取り組んでいける」「自分で切り開いていける」「明るいと思う」と考えている度合いが高いことも提示。オリパラのボランティアを通して、社外の人々と交流したりさまざまな人と社会の課題に向き合ったりする社員が増えることは、会社にとっても大きな人的財産ととらえることができると語った。

 ところで、フィールドキャストとして大会を支えることに意欲を持つボランティアたちは、今からどんな準備をしているのだろうか? 大会組織委員会が、大会延長が決まった後の今年7月にボランティア2万6千人を対象に聞いた結果では、「体力づくり」「英語学習」がともに5割半ほどの割合で高い結果に。「組織委のE-learning」「共通研修のハンドブック」がともに4割半程度、「オリパラの知識獲得」が約3割という結果だった。

 これを受けて二宮氏は、「マスク着用」「他者との距離を取る」など広く周知されているウイルス対策に加え、「ウイルスに負けない体づくり」の大切さを指摘。「昨年まではボランティアにおいても“暑さに負けない体づくり”がコンセプトだったが、“ウイルスに負けない体づくり”に目を向けて日ごろの健康づくりを行っていくことがコロナとの闘いにおいて大切」と訴えた。

 セミナーでは、国立競技場から配信した競泳女子・池江璃花子選手(ルネサンス)によるメッセージ動画も紹介された。二宮氏は、動画の中での池江選手の「スポーツは決して、アスリートだけでできるものではない」という言葉を挙げ、「この1年で、選手に負けないぐらい、ボランティアたちもどれだけ変われるか。そのことが、コロナを乗り越えた強いボランティアの姿として現れてくると思う。すばらしい2020プラス1の大会を迎えましょう!」と、ボランティア志望者たちにエールを送った。