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イタリア・ポンペイ遺跡から持ち帰ったものの 「呪われた」石を返却する人続出

ポンペイ
ポンペイ

 イタリア南部、カンパニア州にあるベズビオ山の噴火で79年、一夜にして灰に埋もれた古代ローマの街、ポンペイ。世界遺産に指定されているこの遺跡を訪れ、こっそり石のかけらを持ち帰った観光客が、「これを遺跡に戻してください。不幸を呼ぶ石です」という手紙とともに、石片を郵送で返却してきたことが話題になっている。実はここ数年、罪の意識に駆られた返却が相次いでいるという。

 ラ・レプブリカ紙など現地メディアが伝えたところによると、ポンペイの旅行会社に届いたのは、カナダの女性からの手紙。女性は2005年にポンペイ遺跡を旅行で訪れ、「誰も持っていない歴史のかけらを持っていたい」とモザイクタイル片二つをこっそり持ち帰った。ところが、それ以来不幸続き。「私は今36歳ですが、乳がんを2度患い、結局切除手術を受けました。家族は経済的な困難に直面しています」とし、「この呪いを子どもたちにまで残したくない。神の許しを乞いたい」という書面とともに、盗んだモザイク片を同封した。

 ほかにも、やはり2005年に遺跡を訪れ、石を持ち帰ったという人物から、「あの噴火で亡くなった人々の苦しみなど考えることもなくしてしまった、最悪の行為でした。許してください」という手紙とともに石片が届けられている。

 ベズビオの噴火は、帝政ローマの文人、小プリニウスがその様子を書き残しており、一瞬にして多くの犠牲者を出し、街を埋もれさせたことで知られている。遺跡から石片などを持ち帰る違法行為は以前から問題になっているが、ここ数年、自責の念を吐露する手紙とともに、持ち帰ったものを返却する人が増えているという。

text by coco.g