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「踏ん張って」とマクロン大統領 学生の苦しい手紙に返信

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 小学校も高校も通学できるのに、なぜ大学だけが?という若者たちの苦しみは、国境を越えている。フランス北東部、ストラスブールの学生が「もう夢もついええました。私は時々パソコンの前で泣いています」と苦境を訴えるマクロン仏大統領宛ての公開書簡を執筆。マクロン大統領は、今の若い世代に困難を強いてきたことは十分に認識しているし、あなたたちが成し遂げていることは我々の手本でもある、と理解を示したうえで、「もう少しだけ踏ん張ってほしい」と連帯を求める返信を出した。

 LCIなどフランスメディアによると、大統領に手紙を出したのは、ストラスブールのエリート養成校、政治学院の学生、アイディ・スポールさん。「私は19歳ですが、死んでいるような気分です」という書き出しの手紙は、雪が降るストラスブールの情景を詳述したうえで、「それでも私には外出する理由がないのです」とし、「私に唯一許されているのは勉強すること、ですよね?」と問う。勉強のための場所は「私の休息の場所であり、電話したり映画を見たり、たまには料理したりするこの部屋なのです」。「現実問題として、大統領、私にはもう夢がありません」「もう限界です。私たちは機械ではないのです」と切々と綴っている。

 この公開書簡にはSNS上でもたくさんの反響があり、同世代やその家族らから励ましや意見を同じくするコメントが700件近くついた。

 これに対し、マクロン大統領は15日、「私には及ばないようなあなたの言葉で(この苦境を)表現してくれました」と手紙への謝礼とともにアイディさんに返信。「2020年の20歳(若者たち)は本当に厳しい状況に置かれていると心底思います」としたうえで、「それでもまだもうひと踏ん張りしなければならない。大学もカフェもレストランもまだ再開はできないのです」「コロナが始まった時からやってきたことは命を救うこと、これをすべての数字に優先させてきました」と、感染防止のための厳しい政策に理解を求めつつ、若い世代の研究や就職などの支援をするための「1人の若者、一つのソリューション」などの企画を必要に応じて延長していくとしている。

 「この厳しい時間を過ごしているあなたたちのために行動する私がいるということを、忘れないでください」と書いたマクロン大統領は、1月25日からグループの半数ずつの個人指導を再開し、できればこれを拡大していくことなどを説明、一定の制約はありつつも「状況は良い方に動いている」と希望を伝えた。