カルチャー

AI時代、子どもの可能性をどう伸ばす? 「課題発見&解決力」「主体性」「創造力」「非認知能力」を育む習い事

 AI(人工知能)の進化で、これまで人間がやってきた多くの仕事を、今後はAIやロボットがやる時代になっていく。現代の子どもたちが大きくなる頃には、求められる能力や仕事に必要なスキルも変わってくることが予想される。

 総合情報サイト「All About(オールアバウト)」による「AI時代における子育て」に関する調査では、AI時代における子どもの将来に不安を持つ親は約8割、「職」に不安を持つ親が多かった。また、社会に出るまでに子どもに身に着けておいてほしいスキルで上位を占めたのは、「主体性」「実行力」「創造力」「柔軟性」だった。

 これらを含むさまざまな能力を、好奇心を持って楽しく身につける一助となりそうな「子どもの習い事」をOVO記者が取材。小学生・幼児の子どもと体験した様子もあわせて紹介したい。

■「論理的思考力」「課題解決力」を養うロボット・プログラミング教室

LITALICOワンダー(IT×ものづくり教室) LITALICOワンダー(IT×ものづくり教室)

 2020年から必修化、2024年度から大学入試に組み込まれる方針であることが発表されたプログラミング教育。今後も、通信・ネットワーク・セキュリティなどのITにひも付く要素を理解・操作し、構築する能力である「ITリテラシー」を身につける事は必要となるだろう。

 「LITALICOワンダー(IT×ものづくり教室)(LITALICO・東京)」では、プログラミングやロボット製作などのテクノロジーを活用したものづくりを通じて、子どもたちが、将来、必要なITスキルを身につけ、コンピューターには代替えできない「新しい価値を生み出す力」や「テクノロジーを活用する力」を養う講座を提供している。

コースの授業風景

 「ゲーム&アプリプログラミングコース」では、マサチューセッツ工科大学の機関が開発した教育用プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」を使い、パソコンやスマートフォンで遊べるゲームやアプリを制作。ゲームの作り手としての楽しさを味わいながら、パソコン操作やプログラミングの基礎となる考え方を学んでいく。

子どもが製作したロボット

 「ロボットクリエイトコース」では、子どもたちが大好きなブロックを組み立ててロボットを製作。また、タブレットでプログラミングを行い、実際にそのロボットを動かすことで、モーターやセンサーの使い方、プログラミングの基本、機械が動く仕組みを学んでいく。

 デジタルデータを修正、改善しながら試行錯誤する、プログラミングやロボット製作などのものづくりは、「論理的思考力」や「問題解決能力」「創造力」を養うために有効な要素がそろっているという。同教室では、子どもの自由なアイディアや個性に合わせた制作環境を整えている。
(※ScratchはMITメディアラボ ライフロングキンダーガーテンのプロジェクト)

■「非認知能力」を引き出す巨大トランポリン教室

 「特定非営利活動法人 地域スポーツ振興協会」(神奈川県藤沢市)が運営するスポーツ教室は、4メートルの大型トランポリンや跳び箱、鉄棒、マット運動などの練習を通して、体と心を成長させる体操教室。トランポリンを使った運動は、全てのスポーツの土台となる空中でのバランス感覚や体幹が養えるほか、人間の土台となる「非認知能力」を育むという。

「トランポリン教室」(※提供写真)

トランポリン教室(※提供写真 )

 「非認知能力」とは、IQや学力テストのように数値化することができない「チャレンジ精神」「好奇心」「勤勉性・誠実性」「コミュニケーション力」「協調性」「注意深さ」「やり抜く力」のこと。これらが育まれることは、幸福感が増え、人生が豊かになることに寄与するという。

トランポリン種目のほか、鉄棒やマット運動を指導
トランポリン種目のほか、鉄棒やマット運動を指導

体験風景

 記者の親子体験記:もともと遊具施設にある「トランポリン遊び」にハマっていた子どもたち。体験レッスンでは、トランポリンに「ひねり技」や「ひざ打ち」「バック転」などの技があることを学び、興味津々。上の子は「ただひたすらに楽しくて、ストレス発散になった」、下の幼児は「僕はカッコよくあいさつもできたし、逆立ちもできた」と自信を持たせてもらう良い機会になった。楽しく跳べるトランポリンなら、運動が苦手な子も得意な子も長く続けられそうだ。

■「創造力」「着想力」を育む絵画造形教室

 今まで人間がしてきた多くの仕事をAIが担う時代を迎える中、「人間にしかできない作業」は、芸術を生み出す「創造力」や「着想力」ではないかともいわれている。

カワイ絵画造形教室

 「カワイ絵画造形教室」(河合楽器製作所)では、特大の画用紙や木材などのさまざまな素材を使った、子どもたちがワクワクする造形活動を通して、創造力や人間らしい心を育てていくことを目指している。

カワイ絵画造形教室 カワイ絵画造形教室

 素材や道具、仲間から刺激を受け、試行錯誤を繰り返してイメージしたものを絵や造形物に具現化していく過程や、完成したときの喜びは、子どもにとって大きな自信や次の自己表現への意欲などにつながるという。毎年開催されている生徒たちの作品展「カワイ絵本フェスティバル」では、WEB上で生徒たちの作品のほか、「子どもが描いた絵を見てほめるポイント」や「幼児画の発達の順序や特徴」なども見ることができる。

■科学の力を駆使した新世代のスポーツ教室「忍者ナイン」

 人生100年時代と言われるが、100年を元気に過ごすには、その資本となる健康で丈夫な体づくりも大切だ。やる気スイッチグループ(東京)が運営する子ども向けのスポーツ教室「忍者ナイン」は、東京大学名誉教授の深代千之氏が監修。トップアスリートの動きを分析して考案された子どもの「体(運動能力)」「心(社会性)」「頭(考える力)」を育むスポーツプログラムだ。

子供グリーンクラブ(※提供写真)

 運動能力が飛躍的に伸びるとされる3歳から9歳の時期に、走る・跳ぶ・投げる・打つ・捕る・蹴る・組む・バランス・リズムといった運動の基本となる「9つの基本動作」を習得することを目指す。子どもたちに人気の忍者風の運動着でレッスンが受けられるのも、魅力の一つ。子どもたちが楽しく取り組む姿は、科学的に裏付けられた現代版の「忍者修行」のようだ。

読売カルチャー自由が丘「忍者ナイン」の体験風景
読売カルチャー自由が丘「忍者ナイン」のレッスン風景

読売カルチャー自由が丘「忍者ナイン」の体験風景

 記者の親子体験記 : 年中の息子と「忍者ナイン 自由が丘ラボ」の体験レッスンに参加。

 この日は、チーターや熊、アヒルなどの動物歩きの練習や、ボールを受ける&蹴るなどの動きを集中的にレッスン。これらの運動のコツを習得することで、3カ月間で運動能力が30パーセントもアップする子もいるという。人見知りの息子にも、講師が「前に出てくるのが上手!」「ナイス!」とたくさんほめてくれる充実したレッスンだった。

 ~取材や我が子との体験参加を通して~

 子どもの習い事を決めるときに大切にすべきことは、「子どもが楽しいと思って取り組めるか」なのだそうだ。子どもたちが自分自身のやりたいことや将来の可能性の選択肢を広げていくきっかけとして、習い事や地域活動は大きな役割を持っている。どんな可能性を秘めているかは、子どもによって千差万別。その可能性を見極めて開花させることをサポートできたら、親としてとてもうれしいと感じた。

取材・文/小宮山のんの