SDGs

“持続可能性の先にあるよりよい世界”を 「第5回サステナブル・ブランド国際会議」(2)

オンラインで参加した環境省の中井徳太郎事務次官(上)。
オンラインで参加した環境省の中井徳太郎事務次官(上)。

「使ったら捨てる、この当たり前を変えたい」

「サステナブルだけでは足りず、regeneration(再生)が必要」

 2月下旬に横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議」では、多くのセッションで上記のような発言が聞かれた。持続可能性は国連が掲げるSDGsにも使われている言葉だが、regenerationには現在の地球環境を維持するだけではなく、元の状態に“再生させる”という意味合いが含まれている。Part2ではそれぞれの企業が取り組む先進的な事例を紹介する。

 資生堂が使命とするのは、“Beauty Innovations for a better world(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)”。SBAS(Sustainable Beauty Actions)を通して、サステナブルで美しい世界を実現したいと訴えている。「MOTTAINAI」活動では、プラスチック使用量の削減、パッケージの再利用などのほか、「ULTIMUNE」(アルティミューン)シリーズでは使い終わった容器を持参すると、店頭でリフィルするサービスを開始した。また、「アクアジェルリップパレット」では“A Kiss to the sea”をコンセプトにしていて、海洋分解性素材を初めて採用した。

資生堂の岡部義昭氏。
資生堂の岡部義昭氏。

 2030年代の早い時期に、すべての新型車を電動とすることを目標としているのは日産。カーボンニュートラルは当然ながら、電動車(EV)を普及させることは災害対策にもなる。大規模な停電が発生した場合も、EVがあれば建物全体への電気の供給や携帯・スマホ・家電製品の充電が可能だ。日産ではEVは社会インフラの一つになるとして、日本電動化アクション「BLUE SWITCH」を打ち出している。また、モビリティを活用したまちづくりも視野に入れているという。

日産の神田昌明氏。
日産の神田昌明氏。

 日本のペットボトルリサイクル率は86%と世界的にみても高い数値だが、環境省とともにリサイクル率100%にあたる「国内完全循環」を目指しているのは全国清涼飲料連合会と日本環境設計。きちんとした回収ルートを確保することで、現在93%である回収率を上げると同時に、いかに燃やさずにリサイクルさせるかがペットボトルの課題だ。日本環境設計(東京)の高尾正樹氏は「完全循環は可能だと考えている。ただし、国民一人一人が回収に協力することと、リサイクルを支える技術力が必要」と話した。環境省の中井徳太郎事務次官は、「人間に例えると現在の地球は慢性疾患の肝硬変に近い。地球を健康体に戻す必要があるという共通の認識を形成したい」と強調した。

 イタリアの食品メーカー「バリラ」は、“Give people food you would give to your ownchildren”を社是としている。地球は未来からの借り物だと考え、私たちは食べ物に限らず、自分の子どもや孫に与えたいと思う地球環境を残す必要がある。改めて私たちが日々できることは何かを考えてみてはいかがだろうか。