SDGs

社会全体でサーキュラーエコノミーの推進を 長野・白馬村で「GREEN WORK HAKUBA」開催(1)

GREEN WORK HAKUBAのオンラインセッション。
GREEN WORK HAKUBAのオンラインセッション。

 最近、少しずつ聞くようになった「サーキュラーエコノミー」という言葉。カーボンゼロなどとともに、持続可能な地球を維持するために必要なキーワードの一つになっている。サーキュラーエコノミー(Circular Economy、以下CE)の基本原則は、1)ゴミ(廃棄物)を出さない設計(デザイン)、2)製品と原材料を使い続けること、3)自然システムの再生――の三つ。ゴミが出ることを前提になるべく多くのものをリユース、リサイクルする「リサイクリングエコノミー」ではなく、そもそもゴミを出さないようにする経済システムがサーキュラーエコノミーだ。

 このサーキュラーエコノミーについて議論・実践するプロジェクト「GREEN WORK HAKUBA」が3月上旬、長野県白馬村で開催された。スキーなどのウインターアクティビティが有名な白馬だが、地球温暖化の影響で近年は雪不足に悩まされることが多いという。この危機を肌で実感した地元の高校生らが2019年9月に「グローバル気候マーチ」を実施。この若者によるアクションが村全体で気候変動について考えるきっかけとなった。そこから地元、そして地球全体の自然を維持していくためにも、「サステイナブルなマウンテンリゾート」を目指すようになり、その実践の方法として注目したのがCEだった。

白馬の自然を体感することができる熱気球フライト。
白馬の自然を体感することができる熱気球フライト。

 3泊4日で行われたGREEN WORK HAKUBA。スノーシューツアーや熱気球フライトで実際に白馬の自然を体感すると同時に、国内外の先進的な事例について専門家らが紹介。最終日には、白馬の宿泊事業者が抱える課題を解決する方法を探るワークショップが開かれた。全体を通して23企業・団体の約40人が参加。プロジェクト後も参加者から構成されるSNS上のグループで、情報交換・プロジェクトの進捗状況などについてのやり取りが継続されている。

参加者に配布されたお弁当の風呂敷には、食品1kg当たりのCO₂排出量を表示。環境負荷が高い食品を見える化した。
参加者に配布されたお弁当の風呂敷には、食品1kg当たりのCO₂排出量を表示。環境負荷が高い食品を見える化した。

 初日のセッション「気候変動とCE」に登場したのは、CIRCULAR ECONOMY JAPANの代表理事・中石和良(なかいし・かずひこ)氏。中石氏は、このままでは世界人口100億人・海面上昇・資源の枯渇など、持続不可能な世界になると指摘。経済成長と資源の使用および環境への負荷をデカップリング(切り離し)するためにはCEの推進が欠かせないと強調した。

デンマーク・ロラン島在住のニールセン北村朋子氏。
デンマーク・ロラン島在住のニールセン北村朋子氏。

 続くプレゼンテーション「気候変動に立ち向かう」では、デンマークから共生ナビゲーターのニールセン北村朋子氏がオンラインで参加。ニールセン氏が住むデンマークのロラン島は100%自然エネルギーの島として有名で、島で使用する量の8倍もの電力を生産しているという。ニールセン氏は、「気候変動への適応はできる・できないではなく、やる・やらないかのどちらか」と言及。「電力消費量の50%を風力で」「2030年までに石炭火力をすべて撤廃」「2035年までに電力・熱供給を再生可能エネルギーにする」などのデンマークの最新エネルギー政策を紹介した。

 そのほかの事例についてはPart2で紹介する