カルチャー

棋王10連覇達成来年目指す 棋王就位式で渡辺棋王が決意

佐藤康光日本将棋連盟会長(左)から就位状を贈られた渡辺明棋王=東京都港区の第一ホテルで。
佐藤康光日本将棋連盟会長(左)から就位状を贈られた渡辺明棋王=東京都港区の第一ホテルで。

 渡辺明棋王(37)の第46期棋王就位式が5月12日、東京都港区の第一ホテルであり、就位状を手にした渡辺棋王は「来年10連覇を達成したい」と“大台”突破への決意を示した。

 渡辺棋王は糸谷哲郎八段(32)を破り、棋王9連覇を今年3月達成。10連覇が懸かる来年の棋王戦について「連覇はなかなか大変。1回失うとゼロになる。タイトル戦の10連覇に挑戦できるのはおそらく今回が最後になると思うので、来年の防衛戦で是が非でも10連覇を達成したい」と謝辞の中で語った。

 さらに「谷川先生(谷川浩司九段)と並んでいた通算タイトル獲得数は、棋王9連覇で28となり、谷川先生を超え歴代4位となった。小さいころから目標にしていた谷川先生を超えたことはうれしい。その上の歴代3位の中原誠名人が持つ64を超えることは、いまからではさすがに無理なので、通算タイトル獲得数では目標を失った感はある」としながら「これからは誰かを超えるということではなく、一つでも多く(勝利の)数字を積み重ねることができるか自分との勝負」と“己(おのれ)との闘い”が今後の大きなテーマと語った。

共同通信社の三土正司社長(左)から賞杯を受け取る渡辺明棋王
共同通信社の三土正司社長(左)から賞杯を受け取る渡辺明棋王

 この日の就位式は昨年同様、新型コロナウイルス感染拡大防止のため関係者のみで開催。将棋ファンらのため、式の模様はオンラインでライブ配信した。

 棋王戦主催者を代表してあいさつした共同通信社(東京)の三土正司社長は「いま将棋界は若い棋士の活躍もあり活況を呈している。その中でタイトルを長く保持される苦労は大変なもので、いま渡辺棋王は“天才にしか見えない風景”を見ているのではないか。天才には我々に希望を与える使命がある。棋王戦の連勝記録を伸ばし、連覇の最高記録である12連覇を更新して、我々に希望を与えるような“連覇の街道”を進んでいだきたい」と期待した。

 就位状を手渡した佐藤康光日本将棋連盟会長は「渡辺棋王は非常に斬新な構想通りの見事な内容で快勝した。将棋界に新しい“定跡”が生まれた」と棋王戦を振り返り「通算タイトル獲得数28の渡辺棋王にとっては3分の1を占める9連覇の棋王は思い入れが強いタイトル。来年10連覇という大きな記録に向かって、将棋界をさらに面白くするため第一人者として引っ張っていただきたい」とあいさつした。

あいさつする新潟日報社の石山真取締役東京支社長(左)
あいさつする新潟日報社の石山真取締役東京支社長(左)

 棋王戦主催の地方紙を代表して新潟市で開催した第3局を主催した新潟日報社(新潟市)の石山真取締役東京支社長は「今年は昨年に続き新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、前夜祭と当日の大盤解説会を中止させていただいた。渡辺棋王に会う機会をなくした将棋ファンやファンを大切にされている渡辺棋王にとって非常に残念なことになった」とコロナ禍の影響に触れ「来年こそは前夜祭、大盤解説会を実施し、棋士と将棋ファンが触れ合う機会をつくりたい」と“交流復活”を願った。