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『戦争というもの』 半藤一利氏が体験ふまえ本質を解説

『戦争というもの』
『戦争というもの』

 今年1月に亡くなった昭和史研究の第一人者で作家の半藤一利氏。若い世代に向け、自らの戦争体験を踏まえて書いた最後の連載を書籍化した『戦争というもの』(PHP研究所・京都市)が発刊された。

 2019 年夏、転倒して骨折・入院した著者。翌年にコロナ禍が発生し肉親の見舞いもままならない中、1 枚の企画書を孫で編集者の北村淳子氏に託した。仮タイトルは「孫に知ってほしい太平洋戦争の名言 37」。月刊誌「歴史街道」で昨年8~12月号まで連載された。

 少年時代に東京大空襲で自宅を焼かれ、炎に追われて九死に一生を得た。「なぜあの戦争は起きたのか、なぜ多大な犠牲者を出して悲劇的な敗北に終わったか」を、1950年代から戦争指導者の生き残りに取材し、膨大な文献を渉猟して答えを探し続けた。戦争を知らない人が少なからずいるという現実を憂えていた著者から、「令和」を生きる世代に送る最後のメッセージだ。税込み1,430円。